金刀比羅宮

仲多度郡琴平町892-1(平成21年3月31日)

東経133度49分12.93秒、北緯34度11分00.27秒に鎮座。

 金刀比羅宮は、香川県仲多度郡琴平町の象頭山中腹に鎮座する神社です。こんぴらさんと呼び親しまれており、金毘羅宮、又は琴平宮とも書かれ、明治以前は金毘羅大権現と呼ばれている、全国に約600社ある金毘羅神社(金刀比羅神社・琴平神社)の総本社です。
 本宮までは785段、奥社まで登ると1368段にもなる長く続く参道の石段が有名で、海の守り神として信仰されており、現在も漁師、船員など海事関係者の崇敬を集め、海上自衛隊の掃海殉職者慰霊祭も毎年、金刀比羅宮で開かれています。境内の絵馬殿には航海の安全を祈願した多くの絵馬が見られ、又、金毘羅講に代表されるように古くから参拝者を広く集め、参道には当時を偲ばせる燈篭などが今も多く残っています。又、さぬき十五社一つであります。

 主祭神:大物主命、相殿:崇徳上皇
 祭礼日:1月1日・歳旦祭、1月3日・元始祭、1月6日・厳魂神社大祭、1月10日・初十日祭、1月15日に近い日曜日・どんど焼神事、2月節分の日・節分祭、2月11日 ・紀元祭、2月17日・祈年祭、3月春分の日・春分祭、4月1日・旭社大祭、5月10日・三穂津姫社大祭、6月30日・大祓式、8月26日・相殿祭、8月26日・白峰神社大祭、9月第3月曜日・敬老祭、秋分の日・秋分祭、10月9日〜10月11日・例大祭、10月17日・神嘗祭、11月3日・明治祭、11月23日・新嘗祭、12月23日・天長祭、12月31日・大祓奏上祭・除夜祭
 境内社:三穂津姫神社、旭社、睦魂神社、厳島神社、事知神社、御年神社、真須賀神社、大山祇神社、祓戸社、火雷社、厳鬼神社・奥社、白峰神社
 由緒:金刀比羅宮の由緒については二つの説があります。
 一つは、大物主命が象頭山に行宮を営んだ跡を祭った琴平神社から始まり、中世以降に本地垂迹説により仏教の金毘羅と習合して金毘羅大権現と称したとするものです。
 もう一つは、もともと象頭山にあった松尾寺に金毘羅が守護神として祀られており、これが金毘羅大権現になったとする説です。
 いずれにせよ神仏習合の寺社であり、海の守り神とされるのは、古代には象頭山の麓まで入江が入り込んでいたことに関係があるとされます。
 永万元年(1165)には、讃岐に流され死去した崇徳上皇を合祀しました。
 戦国時代には一時荒廃していましたが、別当となった宥盛が信仰を広め、境内を整備しました。宥盛は死の直前には神体を守るために天狗に身を変えたとの伝説もあり、死後は本堂付近に祀られています。
 江戸時代初期には、別当の宥光が参拝の土産物として○に金の印を入れたうちわを作ることを思いつき、大和国より技術者を招いたといわれ、この頃には信仰が次第に広がりを見せていたと推察されます。
 江戸時代中期に入ると全国の庶民の間へと信仰は広がり、各地で金毘羅講が組織され、金毘羅参りが盛んに行われる様になり、金毘羅参りは伊勢神宮へのお陰参りに次ぐ庶民の憧れだったとおもわれます。
 江戸時代末期には「こんぴら船々 追風に帆かけて シュラシュシュシュ まわれば 四国は 讃州那珂の郡 象頭山 金毘羅大権現 一度まわれば」との民謡が歌われ始めました。
 明治元年(1868)の神仏分離令で、金刀比羅宮と改称し、御祭神を大物主神と定めました。また、本堂付近に祀られていた宥盛は厳魂彦命と神名を与えられ、明治38年(1905)現在の奥社へと遷座されました。
 それまで金毘羅大権現の本地仏として祀られていた本尊十一面観音像は信仰の対象から外されましたが、社宝として現在も観音堂に納められています。不動明王、毘沙門天の2体の脇侍仏は破却の危機に直面しましたが、松尾寺の末寺である万福院住職宥明によって救い出され、その後、所在は転々としましたが、明治15年(1882)、裸祭で知られる岡山市の真言宗寺院、西大寺の住職光阿によって同寺に勧請され、あらためて金毘羅大権現の本地仏として祀られ現在に至っています。
 古くから信仰を集め、こんぴら講に代表される金毘羅信仰を後世に伝えるため、昭和44年(1969)8月5日、宗教法人金刀比羅本教の設立認可を受け、金刀比羅本教の総本宮となりました。総本部は金刀比羅宮の大門近くにあり、金刀比羅本教は神社本庁に属さない独立した包括宗教法人ですが、金刀比羅宮自体は神社本庁の被包括法人であり、別表神社に指定されています。
 別説として、「生駒記讃陽綱目の金刀比羅宮の條」によれば、讃岐国多度郡の式内社雲気神社が金刀比羅宮という記述があります。
 また嘗ては、金刀比羅宮と倉敷市にある由加山(蓮台寺、由加神社本宮)の両方を参拝する両参りという習慣があったといわれています。
(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)

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金刀比羅宮本宮

神社情報をお寄せ戴いている「Rumarin&Saisei」さんが正月参拝時ご覧なったそうです。巫女さんの「浦安の舞」。

石段参道入口から大門まで

大門から旭社まで

旭社から境内入口まで

本宮・境内

本宮境内から奥社・厳魂神社まで

神苑・御神事場・鞘橋など

象頭山松尾寺