神苑・御神事場・鞘橋など

 江戸時代の庶民の旅は大きな楽しみであり、憧れでした。その中でも信仰を兼ねて、伊勢詣りに並ぶ人気を誇っていたのが、「金毘羅船々追風(おいて)に帆かけてシュラシュシュシュ…」歌にも詠われる金刀比羅詣りでした。
 金比羅宮に参拝するには、所謂、金毘羅五街道(丸亀、多度津、高松、阿波、伊予・土佐海道)がありましたが、その中で最も栄えたのが丸亀街道でした。
 今も丸亀の街中には当時を偲ばせる遺物が沢山残されています。

旧金比羅街道・道標 旧金比羅街道(丸亀街道)に建つ「金比羅宮」の大鳥居
「金比羅宮」の大鳥居と額

 ここからは琴平町になります。
 JR土讃線・琴平駅からの参道途中には、観光名所の一つである「高燈籠」が金刀比羅宮北神苑内に建っています。この燈籠はかつては瀬戸内海を航行する船舶からも見え、船人がこんぴらさんを拝む目標灯にもなっていた大きな燈籠です。本宮まで785段、奥社まで登ると1368段にもなる石段参道の入口まで、両脇には商店が建ち並び、今も「こんぴらさん」一色の印象が強い琴平町です。

JR土讃線・琴平駅からの参道
参道右側にある「金刀比羅宮 北神苑」
社号標と御神木
金刀比羅宮 北神苑入口の鳥居
金刀比羅宮 北神苑内に建つ高燈籠
万延元年(1860)建立。高さ28mの日本一高い灯籠で、かつては瀬戸内海を航行する船舶からも見え、船人がこんぴらさんを拝む目標灯にもなっていました。
琴電・琴平駅
金倉川に架かる大宮橋から金倉川を臨む
参道両脇の商店街
老舗旅館なのでしょう「本家とらや」の看板にはこんなに素晴らしい彫刻が施されています。
新町の鳥居

 金刀比羅宮御神事場(南神苑・御旅所)は、金刀比羅宮参道から金倉川沿いに約300m程上流に行くと鎮座しています。御神事場西端には観光名所でもある屋根のある珍しい橋・鞘橋が金倉川に架かっています。

「金刀比羅宮御神事場」社号標と入口
参道途中に建つ明神鳥居
金刀比羅宮御神事場
境内に祀られる境内社と亀石?
境内に祀られる境内社 入口と社殿
参道の様子
御神事場西端にある鞘橋
屋根のある珍しい橋で、古記録によると寛永元年(1624)頃には既にあり、現在のものは明治2年(1869)に建てられました。明治38年に現在の場所に移築され、通行できませんが、例大祭などの神事のみに用いられています。

象頭山松尾寺