鳥居稲荷神社

山形市鳥居ヶ丘9(平成20年5月5日)

東経140度19分56.5秒、北緯38度13分32.81秒に鎮座。

 この神社は112号線・鳥居ヶ丘の信号から真南に入る細い道路を、30m程で左折するとすぐ左に鎮座しています。
 といってもここで有名なのは「元木の石鳥居(御立の鳥居)」という藤原時代建立と考えられている石鳥居で、日本最古の石鳥居として山形市が誇る国指定重要文化財で、「最上三鳥居」の一つです。
 この社とこの鳥居のことを教えてくださったのは、西村山郡西川町・愛宕神社でお会いした、東北芸術工科大学・文化財保存修復研究所の張 大石先生で、「どうしてそんなに古い鳥居が今も残っているのですか?」という私達の質問に、「行けば分かります。」とのお答え。来てみて本当に分かりました。山形県は比較的地震の少ない地域ではありますが、それ以上に径1m近い柱に一石から成る直線的な笠木と島木、、幅に対して高さが低い などが影響しているのでしょう。
 またこの地には往古より神社は無く、鳥居だけが建立されていたとのこと。蔵王山に由来する瀧山信仰に関わる建立、と張先生はおっしゃっていました。ここから遙かに瀧山を望むことが出来ますが、もの凄く壮大なスケールの宗教観ですね。それだけ当時の人々にとって信仰は身近で重要なものだったということなのでしょうか?
 以前に山梨県韮崎市岩下・勝手神社で見た室町末期の明神鳥居、九州で見てきた室町時代の末期から江戸時代初期にかけて多く造られた肥前鳥居よりも遙かに古い鳥居、こんな素晴らしいものが見られて幸せでした。

 張先生は鳥居稲荷神社はもっとずっと近世に鎮座されたものとおっしゃっていましたが、この社については案内が無く、御祭神・勧請年月・縁起・沿革等は全て不明です。

神社遠景
神社近景 神社入口
社殿 社殿脇に祀られるお地蔵様

国指定重要文化財・元木の石鳥居全景
鳥居石碑 元木の石鳥居正面より
元木の石鳥居側面より 元木の石鳥居背面より
石材の表面