荊波(うばら)神社

砺波市池原601(平成21年5月3日)

東経137度2分24秒、北緯36度38分15.31秒に鎮座。

 この神社は県民公園頼成の森の北、国道359号から北に500mほどの所に鎮座しています。神社の前は一面の水田で遠くからこんもりとした鎮守の杜が良く見えました。境内には大伴家持が検地に来た時に歌ったと言われる万葉歌碑が建てられ、拝殿ガラスの覆い内にはフクロウが居るという新鮮な経験をした神社です。

 御祭神:日子刺肩別命、配祀:伊弉諾尊、伊弉冉尊、菊理姫命
 由緒:奈良時代に創建され延喜神名帳にも記された式内社で、 砺波地方を開拓の祖先、利波臣志留志の祖、日子刺肩別命を奉っています。天平宝宇3年(759)の越中国礪波郡石栗村官施入田地図に「荊波神 一段 七十二歩」などと記載されており、古代からの有力社であったようです。
 江戸時代には「白山社」と称し、明治時代の格付けでは村社に列しています。

尚、「式内・荊波神社」の論社は以下の5社となっています。
  荊波神社・砺波市池原601
  荊波神社・南砺市岩木5024
  荊波神社・高岡市和田954
  八幡宮(旧号荊波神社)・小矢部市臼谷6967
  巖谷門神社・小矢部市矢波602-1

神社手前150mに建つ
社号標
「延喜式 荊波神社」
社頭
境内入口の台輪鳥居 社号標
拝殿前、建立年代不明の狛犬
阿は口中に玉を含み、素朴で穏やかな顔つきの狛犬です。
狛犬の拡大写真はこちらで
拝殿
本殿鞘堂
境内左に祀られる末社 大伴家持歌碑
題詞には「墾田の検察により砺波郡の主帳多治比部北里の家に宿ったとき、風雨が起きて辞去し得ず作った」と記されています。
荊波の 里に宿借り 春雨に 隠りつつむと 妹に告げつや
(万葉集巻十八 4138番)
御神木・大杉
樹高・20m、目通り幹囲・6m
拝殿ガラスの覆い内にいたフクロウ
フクロウをこんなに間近に見たのは初めてですが、白昼で目が利かないのか、じっとこちらを見たままで動きませんでした。瞬きはまるでカメラのシャッターが降りるような感じでした。このフクロウは御神木の大杉に営巣しているようです。