雄琴神社

下都賀郡壬生町通町(平成18年12月9日)

【狛見倶楽部 佐野支部 クマちゃん通信員より】
 神社は、国道352号線を東に進み、右に少し入った通町地区にあります。天保10年と明和6年の狛犬さんが迎えてくれました。明和生まれは、かなり個性的です。本殿、拝殿、随身門が町指定の文化財に指定されています。県指定文化財である鳥居の柱では、狛犬が遊んでいました。本殿に近寄らないように警報器が設置されています。

 主祭神:天照大神、天武天皇、舎人親王、小槻宿弥今雄公
 由緒:創建は寛治5年(1091)で、はじめは藤森神社といわれていました。鎮守府将軍・清原武則の三男・保定が下野国壬生にその祖である舎人親王を祀ったのが始まりと伝わっています。翌年には奥州より上洛する源義家が参詣して社領を寄進し、壬生の鎮守となりました。その後寛正3年(1462)に壬生城を築城した壬生(小槻)彦五郎胤業が、壬生氏の遠祖・小槻宿弥今雄公を祀る遠洲・雄琴神社から勧請して合祀し、「雄琴神社」と改称しました。

神社入口と社号標
県指定有形文化財・鋼板製の二の台輪鳥居 二の台輪鳥居柱の足元には
3匹づつの狛犬が遊んでいます。
町指定有形文化財・随神門 随神門の木鼻狛犬
拝殿前にはそれぞれタイプの異なる二対の江戸期の狛犬が揃い踏み。
天保10年(1839)生まれのドッシリタイプ・江戸尾立ち狛犬。
体格はゆったり型、顔つきも温厚でおっとりしています。
鬣や尾の線は大分薄れてきましたが、背中の瘤はまだ見えます。
暖かみの感じられる狛犬です。
(天保10年(1839)11月吉日建立)
明和6年(1769)生まれの所謂江戸中の狛犬で、同じく尾立ちですが、
こちらは扁平上向きな逆三角形の顔で、首が長く非常に個性的でユーモラスな狛犬です。
1700年代後半に建立された狛犬に似たものを見かけ、我が家の近くの
新宿区・筑土八幡神社多武峯神社等に同系統の狛犬が居ますが、ここまで極端ではありません。
阿には宝珠が、吽には小さな角が付いているようです。やせぎすで背骨もきちんと表現されています。
(明和6年(1769)正月吉祥日建立)
町指定有形文化財・拝殿正面 拝殿に架かる社額
この社の歴史を感じます。
町指定有形文化財・本殿 末社三社

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