社日

社日(しゃにち)とは雑節の一つで、産土神(生まれた土地の守護神)を祀る日。春と秋にあり、春のものを春社(しゅんしゃ、はるしゃ)、秋のものを秋社(しゅうしゃ、あきしゃ)ともいう。社日は古代中国に由来し、「社」とは土地の守護神、土の神を意味する。

春分または秋分に最も近い戊(つちのえ)の日が社日となる。ただし戊と戊のちょうど中間に春分日・秋分日が来る場合(つまり春分日・秋分日が癸(みずのと)の日となる場合)は、春分・秋分の瞬間が午前中ならば前の戊の日、午後ならば後の戊の日とする。またこのような場合は前の戊の日とする決め方もある。

この日は産土神に参拝し、春には五穀の種を供えて豊作を祈願し、秋にはその年の収獲に感謝する。また、春の社日に酒を呑むと耳が良くなるという風習があり、これを治聾酒(じろうしゅ)という。島根県安来市社日町などが地名として残っている。
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雑節の一で、春分・秋分に最も近い前後の戊の日。社とは中国で土地の守護神、または部族の守護神、その祭祀のことをいったから、社日とは社の祭を営む日のことである。中国では社の祭は時代や地域によって一様でないが、唐代には立春と立秋後の第五の戊の日をあてたという。『荊楚歳時記』の一本には、秋分の日に牲をもって社をまつり、仲春の月よりも盛大に祝って、翌年の豊凶をも占ったという。日本の社日はこの中国から伝来したものであるが、稲作が開始される春と、収穫を迎える秋とに祭る田の神の信仰を基礎に受容したものであろう。現在の習俗でも、春秋の社日には仕事を休み、土をいじらないなどと伝えている。そして東九州や北九州、中部地方などでは、社日様は田の神または作神様といい、この両季に田の神と山の神の去来信仰と同様の伝承をもっている。
『神道辭典』より。

五角形の石柱で正面は天照皇大神。右周りで、・稲倉魂命・埴安媛命・少彦名命・大己貴命。しかし違う並びもあるようです。しかし何故この五柱の神が選ばれ五角形の石柱に刻まれているのかは、不明。又、必ず五角石柱という訳でもないようです。

昔は、春秋の二回、春分(3月20日頃)と秋分(9月23日頃)のそれぞれに最も近い戊の日に、村人が集まり、春は五穀の種子をまつってその豊熟をを祈願、秋には稔った作物の初穂を供えて感謝し、飲み食いを行う・・・といった、娯楽を兼ねた宗教行事だったようです。

松江市八雲町・宇留布神社の社日

香川県高松市・廣旗神社の地神社(社日)

島根県雲南市・海潮神社の社日社