久礼八幡宮

高岡郡中土佐町久礼6515(平成23年3月29日)

東経133度13分57.13秒、北緯33度19分27.04秒に鎮座。

 この神社は土讃線・土佐久礼駅の東南東約400m、久礼港西に鎮座しています。
 表参道入口に立つ一の台輪鳥居を潜ると両脇に建立年代不明の太鼓狛犬が居り、参道を30m程西に向かって歩いていくと、境内入口の手前に二対の狛犬。二の鳥居を潜ると広々とした境内で、右側には社務所、左に直会殿?と思われる大きな建物が配されています。正面には千鳥破風付き入母屋造りの大きな拝殿が建ち、続いて横殿、舞殿、春日造銅板葺の本殿が建立され、社殿左には厄除石と奥にご神木の大楠、その更に左には境内社三社が祀られています。その他参道や境内には日露戦役記念碑や馬霊碑?、小賀玉(おがたま)の木等が見られます。
 入口は南北にもあり、商店街が近い北参道入口は、寛政5年生まれのこの社の中では一番古い狛犬が護っていました。
 御神幸(おなばれ)と呼び親しまれている久礼八幡宮秋祭りは、県下屈指の祭礼で、土佐の3大祭りのひとつと云われています。深夜から未明にかけて2トンあまりの大松明に沢山の小松明が従い、各郷から繰り出した大太鼓がぶつかりあう、古来から連綿と伝わる神秘的な真夜中の神事で、民族学的にも注目されているそうです。
 因みに「土佐の3大祭り」とは、この社と、四万十市中村・一條神社と、高知市一宮・土佐神社の祭礼をいいます。
 旧懸社で、中土佐町を代表する神社ですが、久礼湾を正面に見た閑かで雄大な佇まいと、ご神木の大楠が代表する大きな鎮守の杜が素敵な、又、狛犬好きにも大いに堪能できる、素晴らしい神社でした。

 御祭神:応神天皇、神功皇后、比賣大神、瑞津姫神、田心姫神、市杵島姫神
 祭礼日:旧暦8月14日・15日
 境内社:秋葉神社、八坂神社、三社神社
 由緒:旧懸社
 勧請年暦由来等未詳 宝永の地震暴潮のため棟札の類流失し、往古のことは祥かでない。正徳2年の八幡宮由来記に、嘉吉の頃建立とあり、又永正年中再興とある。然るに、神宝鰐口の銘に敬白御宝前土佐州庄内、明徳3年(約600年前、南北朝後期)壬申3月6日願主内蔵助とあり、嘉吉の頃建立云々は再建であろう。享保8年藩庁へ出した記録に応永年中、佐竹氏関東より勧請とあるも、佐竹信濃守源義直は天正9年4月3日に死去して居り、義直の祖父、玄蕃頭義辰が始めて久礼へ来たと云うから応永年代でない事は明らかである。
 百貫余の大松明を先頭に浄閤を練り進む御神穀祭は、洛西随一であろう。古来遠近の崇敬殊に篤く、その大祭には内外より参詣者群集して混閙雑踏名状すべからざる盛況である。



久礼港から見える社頭
表参道入口に立つ一の台輪鳥居 鳥居に掛かる額
表参道入口を護る建立年代不明の狛犬
大分剥落が進んでいます。このように太鼓を持つ狛犬は、高知市朝倉乙・若宮八幡宮、南国市日吉町・日吉神社に続いて三例目ですが、阿吽共に太鼓を持つ者は初めてです。
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表参道の様子
表参道脇で見かけた日露戦役記念碑と馬霊碑?
境内入口に立つ二の鳥居と、その手前にいて神社を護る狛犬二対
境内入口手前の狛犬
鬣などの渦が大きな土佐型の狛犬です。台座も低くやや小振りです。やや上向きで、朴訥な感じがします。
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(明治32年(1899)1月吉日建立)
境内入口奥の狛犬
こちらは台座も高く、大柄な土佐型狛犬です。眼光鋭く参道通る者を威嚇しています。
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(大正13年(1924)4月吉日建立)
境内の様子
境内入口にある「懸社昇格記念碑」と「百度石」 直会殿?
拝殿
横殿、舞殿
春日造銅板葺の本殿
境内社入口
境内社入口にいる明治24年生まれの狛犬
土佐型狛犬ですが、下半身がどっしりとした、朴訥な感じの狛犬です。
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(明治24年(1891)8月吉日建立)
境内社:秋葉神社
境内社:八坂神社
境内社:三社神社

厄除石

ご神木・大楠
樹齢・不詳、胸高直径・137cm、樹高・28m

小賀玉(おがたま)の木
南参道入口
北参道
北参道入口
北参道入口を護る寛政5年生まれの狛犬
この年代の物としては素晴らしい出来映えの狛犬ですが、残念ながら阿の下顎が欠けています。吽は角付きで、ふくよかな表情に親しみが湧き、又、体に張り付いた苔が威厳と貫禄を醸し出しています。
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(寛政5年(1793)癸丑8月吉日建立)
表参道入口から東に見える久礼港の様子
久礼港にある「鰹供養」碑