出羽三山

出羽神社ー入口・随神門から神橋までー

 この神社は全国にある200社ほど羽黒神社の本源社ですが、鶴岡駅の南東約15kmほどの羽黒山(標高419m)山頂に鎮座しています。山頂へは羽黒山南麓から羽黒山道路が通っていますが、14年ほど前に訪れたときの素晴らしい感動が忘れられず、今回も北西麓の手向にある表参道から約2km弱、2446段の階段を登っての参拝を目指しました。
 鶴岡駅から羽黒山に向かう47号線上には3kmも手前に出羽三山の大鳥居が建ち、そこから月山等の雪山が遙かに望めます。神社に近づくと昔と変わらず宿坊が建ち並び、入口付近は連休中とあって沢山の参拝客で賑わっていました。
 参道入口には鳥居が建ち、その後方に神寂びた姿で随神門が建立されています。随神門右手前には虹梁上に力士さんがいる境内社・天地金神社が祀られ、随神門の前には「天拝石」という石が置かれています。
 随神門を潜ると特別天然記念物に指定されている杉並木の中に下り246段の石段・継子坂が続いています。石段を下りた所には磐裂神社・根裂神社・五十猛神社・大歳神社・天神社・豊玉姫神社等の幾つかの境内社が祀られています。
 ここから右に曲がると右側に「白山遙拝」の案内があり、坂道を登っていくと柵に囲まれた磐座がありましたが展望が悪く、白山は望むべくもありませんでした。継子坂を下りきると祓川に架かる神橋に出ます。昔、三山詣での人々は必ず祓川の清流で身を浄め、水垢離をとり三山への登拝の途についたそうで、この神橋を境にし、山上には維新まで本坊を始め30余ヶ院の寺院があり、肉食妻帯をしない「清僧修験」が住み、山麓には336坊の「妻帯修験」が住んでいたのだそうです。
 神橋を渡ると左側に境内社・下居社が祀られており、右手には須賀滝が流れ落ち、その下に祓川神社、岩戸分神社、不動明王が祀られています。

47号線上に建つ出羽三山の大鳥居
昭和4年山形市の吉岡鉄太郎氏が奉納したもので、
高さ22.5mの両部鳥居です。
ここから出羽神社までは、まだ3kmもあります。
出羽三山の大鳥居付近から見える霊峰・月山等の雪山
社号標「出羽三山神社」 出羽神社入口
随神門右手前に鎮座する境内社:天地金神社
応永4年(1397)学頭法性院尊量により創建されましたが兵乱のため大破し、後に羽黒山地憲院宥然により安永8年(1779)再興されました。もと「元三大師像」を御本尊としてお祀りしたので大師堂と称していましたが、後に須佐之男命をお祀りし、「天地金神社」と改称しました。
天地金神社の柱に絡む
精緻な龍の彫刻
天地金神社社殿内の様子

天地金神社社殿の挙鼻と欄間の彫刻
天地金神社の木鼻・狛犬と牡丹
虹梁上に居た力士さん達
秋田では拝殿の四隅を支える力士像を何体か見てきましたが、ここ山形の地でも力士像は彫られていたのですね。ただこちらは虹梁の上で、居る場所が違いますね。また秋田の力士像は優雅ですが、山形のものは太めの筋肉質で顔は皺っぽく、阿は前方を、吽は下方を金色の眼でしっかりと見据えています。
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天拝石
随神門
この門は初め仁王門として元禄年間に秋田矢島藩主より寄進されましたが、明治の神仏分離のおり、随身像を祀り随神門と名付けました。この門より内は出羽三山神社の神域となり、神域は遠く月山を越え、湯殿山まで広がっています。随神門はこの広い神域の表玄関です。
羽黒山杉並木(特別天然記念物)
随神門から羽黒山頂まで約2kmの参道の両側は、樹齢300年〜600年の老杉の並木で、特別天然記念物に指定されています。

継子坂(ままこざか)
随神門をくぐると両側に鬱蒼と老杉が生い茂り、昼なお暗い下り坂の参道は祓川に掛かる神橋へと続きますが、この坂は表参道中一カ所だけの下り坂です。
継子坂途中に祀られている境内社・六社

境内社:磐裂神社
境内社:根裂神社
境内社:五十猛神社
境内社:大年神社
境内社:天神社
境内社:豊玉姫神社
神橋の手前右側に「白山遙拝」の案内があり、坂道を登っていくと柵に囲まれた磐座がありましたが展望が悪く、白山の方向を向いて拝するという場所なのでしょうか?
祓川と朱の神橋、須賀の滝
継子坂を下りきると祓川に掛かる神橋に出ます。昔、三山詣での人々は必ず祓川の清流で身を浄め、水垢離をとり三山への登拝の途についたそうです。
神橋を渡ると左側に祀られている境内社:下居社
「須賀滝並祓川」碑と滝・川
滝は承応3年(1655)当時の別当・天宥により月山々麓呑沢より約8kmの間を引水し祓川の懸崖に落し、不動の滝と名付けました。又、祓川の神橋を境にし山上と山麓を呼び分け、山上には維新まで本坊を始め30余ヶ院の寺院があり、肉食妻帯をしない「清僧修験」が住み、山麓には336坊の「妻帯修験」が住んでいました。
祓川左岸の須賀滝下に祀られる境内社と不動明王

境内社:祓川神社
須賀滝下の不動明王
境内社:岩戸分神社
須賀滝前から見た神橋と清流・祓川

五重塔から境内入口へ