利川(はやかわ)神社

鳥取市青谷町早牛855 (平成21年7月28日)

東経134度0分49.3秒、北緯35度28分36.88秒に鎮座。

この神社は青谷駅から日置川に沿って4kmほど南下した早牛地域に鎮座しています。入口には早牛川に架かる神社橋があり、石段を上がると鳥居・社号標が立っており、参道を進むと大樹の影に川六製作の狛犬付き手水鉢が奉納されています。この時代に造られた口から水を出す狛犬は、日本で2例しかない非常に珍しい物だそうで、狛犬ファンには必見の逸品です。
神門を潜ると境内ですが、社殿は90度右側の玉垣内に、妻入りの拝殿と流造りの本殿が建立されています。何れも木鼻狛犬等の彫刻が施されています。

御祭神:速開津比当ス、速佐須良比当ス、瀬織津比当ス、合祀:素盞雄命、保食神
祭礼日:不明
境内社:1社
由緒:式内社で旧郷社ですが、享保10年(1725)台風により社殿が被害を受けたため、元の鎮座地より300mほど移動し、末社の荒神の森へ遷座したといいます。

社頭
早牛川に架かる神社橋
参道入口の石段
参道に建つ明神鳥居 社号標
「式内郷社 利川神社」
参道の様子
安政6年奉納の狛犬付き手水鉢
蓮の花型をした手水鉢に乗ったユニークな狛犬で、江戸時代末期に活躍した名石工・川六の製作です。江戸時代に上水道がある筈もなく、多分金沢兼六園にある自噴の噴水のように、水源地との自然の高低差を生かした逆サイフォンの原理を応用したものと思われます。現在では数例狛犬の口から水が出ている手水を見たことがありますが、この時代の物はこの社と長崎諏訪神社の2例しか確認できないそうです。改めて川六さんの発想の自由さと技術の高さを感じることの出来る作品です。(勿論現在は後ろに蛇口が取り付けられています。)
狛犬付き手水鉢の拡大写真はこちらで
(石工・川六 安政6年(1859)9月建立)
神門
境内の様子
天保6年生まれの出雲構え獅子
狛犬の拡大写真はこちらで
(天保6年(1835)10月吉日建立)
拝殿
拝殿木鼻・狛犬
本殿
本殿目貫彫刻・龍
本殿木鼻・狛犬と象
落ち着いた佇まいを見せる鎮守の杜
境内社