左末、右本の例 真清田神社拝殿(愛知県一宮市)
祭神:天火明命
尾張国一宮として古くから崇敬さる。
ごく一般的な左末右本である。
左綯い。 〆の子は無い。 紙垂は房状になっている。
類似の注連縄の在るところ。
・椿大神社(伊勢一宮、三重県鈴鹿市)
・大国霊神社(尾張総社、愛知県稲沢市)
・箱根神社(神奈川県箱根町)
・笠間稲荷神社(茨城県笠間市)
・吉田神社(京都市左京区)
・香椎宮神門(福岡市東区)
左本、右末の例 津島神社拝殿(愛知県津島市)
祭神:須佐之男命
全国の津島神社3000余社の総本宮。
上の真清田神社とは逆の左本右末で出雲大社と同じである。
左本右末は一割程度しか見受けない。
類似の注連縄の在るところ。
・出雲大社(島根県大社町)
・熊野大社(島根県八雲村)
・大神神社オオミワジンジャ(奈良県櫻井市)
・大山祇神社(愛媛県大三島町)
右綯いの例 多賀大社楼門(滋賀県多賀町)
祭神:伊邪那岐命・伊邪那美命
「お伊勢七度熊野へ三度お多賀さまへは月参り」と参拝者は多い。
左綯いが本来とされているが、右綯いも二割程度見られる。
島根県東部・鳥取県西部地区には、特に多く見られる。
類似の注連縄の在るところ。
・宗形神社(鳥取県米子市)
・美保神社(島根県美保関町)
・七面山影嚮寺(山梨県身延町飛地)
・伊予豆比古神社楼門(松山市)
・御田八幡宮(高知県室戸市)
めおと綯いの例 吉備津彦神社拝殿(岡山市吉備津)
祭神:大吉備津彦命
備前国一宮であり付近には古墳も多く古い歴史がある。
めおと綯いとは、 左右綯いの縄を対にしたもの。
鳥取県西部地区に多く見られる。
類似の注連縄の在るところ。
・名和神社拝殿(鳥取県名和町)
・賀茂別雷神社鳥居(京都市北区)
・出雲大神宮拝殿(京都府亀岡市)
・熊野皇大神宮(長野県軽井沢町)
板締めの例 水鏡天満宮(福岡市中央区)
祭神:菅原道真
延喜元年、左遷された道真が博多に上陸した時、四十川に姿を写したと言う。
博多天神地区の名も、水鏡天神が在ることに依る。
〆の子が密に下がり、板状に見える。
類似の注連縄の在るところ。
・水天宮(久留米市瀬の下町)
・志賀海神社(福岡市東区)
・布多天神社(東京都調布市)
・最上稲荷山妙教寺(岡山市高松慕田)
・香椎宮拝殿(福岡市東区)
特殊な鳥取地方の例 宇倍神社(鳥取県国府町)
祭神:武内宿禰
社殿は戦前の5円札の意匠になる。宝物の麒麟の獅子頭は有名。
〆の子の下がっている処を一つの節として、五節程度連なる。
神社により、左綯い・右綯い・右本・左本がある。
鳥取市及びその周辺から、倉吉市に至る間に見られる。
類似の注連縄の在るところ。
・聖神社(鳥取市行徳)
・樗谿{オオチダニ}神社(鳥取市上町)
・大森神社(鳥取市田園町)
・倉吉神社鳥居(倉吉市仲の町)
・白兎神社手水舎(鳥取市白兎)
中央部が極端に太い例 山居稲荷神社(酒田市)
祭神:宇迦御魂
中央部が極端に太い。
両端は長く柱に添わせている。胴を縛る縄の尻手は大きく開き、〆の子の縄も飾り結び。
山形県に多く見られる。
類似の注連縄の在るところ。
・八幡神社 山形県東田川郡
・八雲神社 酒田市
・日枝神社 酒田市
八幡神社 鶴岡市
山居稲荷ほど派手ではないが、端正な造りで藁の節を揃えている。
両端を大きく巻いた例 古四王神社(新発田市)
祭神:武甕槌命・大彦命
中央部太く、両端を大きく輪に巻いたもの。他に例がない形。
新発田市を中心に多く分布する。
太く長い〆の子を上から被せた例 諏訪神社
(新潟県北魚沼郡小出町虫野)
祭神:建御名方命
中央部太く、上から太くて長い〆の子を被せる。
3月26日の春祭りに掲げ、8月の夏祭りに降ろされる。
この注連縄の形を法螺締めと呼んでいる。他に例がない形。