出雲乃伊波比(いずものいわい)神社

大里郡寄居町赤浜723(平成18年9月10日)

 この神社は関越自動車道・花園ICを出てすぐの花園橋北信号で左折。荒川に架かる花園橋を渡り、81号線とぶつかる花園橋南信号を右折すると、450mで右側に鎮座しています。
 自然石で出来た立派な社号標には「延喜式内 郷社 出雲乃伊波比神社」とあり、低い石垣の塀の奥には立派な屋根付きの木製鳥居が建っています。参道は良く整えられ、鎮守の杜に囲まれた境内は幽幻な感じが漂っています。背後の杜にとけ込んだような拝殿と優雅な流造りの本殿、多数の境内社、神楽殿など、式内社に相応しい落ち着きと歴史を感じさせます。
 この社は昔は現在の花園橋付近に祀られ、源頼義も奥州征討のおり、戦勝祈願を行ったとされ、以来「赤浜八幡」「白旗八幡」と呼ばれるようになり、以来「八幡社」といわれていました。けれど天正8年(1580)荒川の洪水により、集落共々被害を受け、標高の高い現在地に遷座しました。そしてこの洪水により古史料は流失、社史の詳細は不明となりました。明治33年、出雲乃伊波比神社という旧名に復し、明治40年に近隣の10社を合祀して現在に至りました。本殿は文政3年(1820)に、拝殿は明治14年に再建されています。御祭神は須佐之男命、三穗津姫命、天照大神、誉田別命、天児屋根命他です。元々は出雲族の末と称する武蔵国造物部氏が祭る神社で、「男衾郡 式内・出雲乃伊波比神社」の論社はこの社の他に、熊谷市板井・出雲乃伊波比神社があります。

立派な社号標
「延喜式内 郷社 出雲乃伊波比神社」
神社入口
落ち着いた拝殿 拝殿の額
「延喜式内 出雲乃伊波比神社」
縦置きのしょうわ狛犬
(昭和10年9月15日建立)
流造りの本殿 神楽殿
境内社二社 境内社・妙見社
境内社、左から
蚕影大神、三峯大神
古峯大神、天満社
愛宕大神、白山神社
伊奈利社
左から
浅間大神、天照皇大神
末社
馬大神、征清従軍兵士祈念碑