石津神社

堺市堺区石津町1-15-21(平成24年1月8日)

東経135度27分54.16秒、北緯34度33分4.1秒に鎮座。

 この神社は石津川駅の南東約1.1km、第二阪和国道沿いに鎮座しています。
 入口には大きな朱の鳥居が建立され、境内には市指定保存樹木の三本の大クスと一本のオガタマの木がこんもりと茂り、この社の歴史の深さを示しているように思いました。又、道路脇に「日本最古の戎宮石津神社」案内板が立ち、社号標には「式内石津太神社」、境内に入ると「日本笑姿初石津大社」碑が建っています。始め、「日本笑姿初石津大社」の意味が分かりませんでしたが、よく考えると恵比須様はふくよかで笑っていらっしゃいます。で、笑姿=恵比須様となり、「石津大社は日本で初めて創建された恵比須様を祀る神社」という意味なのかしら?という結論に達しましたが、いかがでしょうか?
 参道正面には唐破風付きの拝殿、奥の塀内石垣上に本殿が建立され、二対の狛犬がいました。境内には入口大楠の下と境内右奥、社殿手前左側に境内社が祀られています。
 又、この社は堺市西区浜寺石津町中4の石津太神社と共に「式内社石津太神社」の論社となっています。

 御祭神:八重事代主神 、大巳貴神、天穂日神、相殿:誉田別神(応神天皇)、伊邪那美神、白山比売神、水分神、高野神、高オカミ神(神石村大字市の村社六所神社の御祭神で、明治42年10月26日に合祀)
 祭礼日:1月1日・元旦祭 歳旦祭 、1月9日・戎宵宮祭、1月10日・戎本宮祭、1月11日・残り福、1月15日・とんど、2月3日・節分祭、2月25日・天満宮神事、4月29日・昭和祭、6月23日・夏越大祓、7月28日・野見宿祢神祭 、10月第1土・日曜日・秋祭、旧9月晦日・神送神事 、旧11月朔日・神迎神事、10月〜11月中・七五三詣、12月23日・天長祭 、お煤払式、年越大祓、毎月10日・月次祭
 境内社:野見宿祢社、天満宮、猿田彦社他
 由緒:石津神社は延喜式(西暦九二七年・平安時代)神名帳に見られ、神社に伝わる古文書に「往古、事代主神(戎神)が此の地に五色の石を携え御降臨され、この地に置き給う」、故、此処を「石津」と名付く。
 第五代孝昭天皇の七年(紀元前四六九年)八月十日の神勅(天皇の御命令)により祭礼を行う{日本最古の戎宮の由縁}以降、月の十日を月次祭(月々のお祭り)として現在に引き継がれています。
 第十一代 垂仁天皇(紀元前二十九年〜西暦七十年)の御代には、出雲の国に住む野見宿祢が、当麻の蹶速と力競べで功を賞して領地を賜り、後に当宮の神官となる。「相撲」の祖とも言われ、又、天皇崩御の際の殉死の慣わしを「埴輪」によってこれに変える事を野見宿祢が献言、土師部の祖とされ、後世、菅原姓に引き継がれる。第十六代仁徳天皇の御代行幸啓あり、祈年穀祭に毎年官幣使を立て給う。第三十六代 孝徳天皇白雉三年(六五二年)当宮行幸啓の際、御手洗川の御鏡落とし給う是に依りて御手洗川を益鏡の小川と云う(石津川の由縁)。第四十六代孝謙天皇の勝宝元年(七四九年)行幸啓あり。同五年神主紀伊守を内裏に召し禄を給う。同天平宝宇元年、紀伊守に藤原朝臣の姓を給ひ、従三位大納言を授く、河内の狭山、野田の二村を神領とせられる。当時の社領は八町四方に及び、殿宇は、厳然として広大類い無く、出雲大社に次ぐ御社なれば、石津大社とも云える所以なり。その後の幾度もの兵火により壮大な社殿も烏有に帰し広大な神領も失われつも、漸次建営せり。第九十六代後醍醐天皇行幸啓し給ひ、奉弊し給ふ、その上、神官に冠及び沓を賜る。徳川五代将軍 綱吉公より元禄十年(一六九七年)朱印地賜り、河内四郡及び堺の付近は悉く石津の氏子なりき。第百十五代 桜町天皇の寛保三年(一七四三年)神主 飛騨守 石津連 陸野茂基に従六位下に叙せられる。
「寛保二年壬戌の古文書、巻三・石津大社畧記より」
(「石津神社公式サイト」より)

社頭
入口に立つ明神鳥居
道路に立つ案内板
「日本最古の戎宮石津神社」
社号標
「式内石津太神社」
石碑
「日本笑姿初石津大社」
参道・境内の様子
拝殿
拝殿内の様子
本殿
本殿右脇の「祈願板」
戎神は一般的に耳が遠いとされているところから、戎神に良く聞こえるように、木槌を叩いて大きな音を出し、願い事を唱えるのでしょうか?勿論私も祈願板を三度叩き「お願い事」をいたしました。
本殿石垣上に居た瓦材の狛犬さん
本殿石垣下にいる浪速狛犬
本当は一対居るのでしょうが、向かって右側の吽しか見えません。

境内社:野見宿祢社(野見宿祢神、相殿:石津王命)
野見宿祢社を護る狛犬
潰れてふくよかな小顔、太い紐状の鬣、滑らかな体つき、ワラビのような尾のとても出来の良い狛犬です。
狛犬の拡大写真はこちらで
境内社:天満宮(菅原道真公)
境内社:楠社?
「白長大神・白吉大神・竹富大神」碑
境内社:猿田彦社(猿田彦神)
神輿庫
神輿
神輿庫内に掲げられている旧社殿の彫刻類と社額「六神社」
大絵馬
倉庫前にいた嘉永3年生まれの浪速狛犬
狛犬の拡大写真はこちらで
(嘉永3年(1850)庚戌5月建立)
御神木・大楠
推定樹齢・1,000年、樹高・14.0m、樹回・6.21m
御神木・大楠
推定樹齢・700年、樹高・15.5m、樹回・4.35m
御神木・大楠
推定樹齢・700年、樹高・13.5m、樹回・2.95m