塩竈神社

東参道・裏坂から東神門へ

 東参道(裏坂)は塩竈神社の三つの参道のひとつです。その内最古の参道が七曲坂、江戸時代に藩主参詣のため改修整備されたのが表坂、江戸時代後期に庶民の参詣道として整備されたのがこの裏坂で、最も歩きやすい参道でしょう。正面の稲井石製石鳥居を潜ると、明治41年皇太子殿下の参拝を機に、町民の寄付により整備された稲井石の石畳坂がゆったりと始まります。正面奥には明治の廃仏毀釈により廃絶した別当寺・法蓮寺跡やその書院だった勝画楼、歌碑、裏坂道路改修工事記念碑、二匹の狛犬が乗った五重石灯籠などがあり、その後左に曲がると踊り場と緩い石段の繰り返しで、モミジや赤松、清々しい竹林などの、自然林の木々の葉が織りなす彩り豊かな杜の中、七曲坂との合流地点へと誘われます。七曲坂との合流地点右側には御神馬・金龍号の住む神馬舎、神龍社が建ち、東参道二の鳥居を潜り昼尚暗い鬱蒼とした杜を抜けると、志波彦神社からの広い参道に出、最後の石段の上に東神門が建っています。表参道の直登の階段が202段ということは有名ですが、こちら東参道の緩やかな階段も、それに合わせたかの如く丁度202段ありました。この参道には二の鳥居から東神門の間に3対の狛犬が居ます。

東参道入口
「塩竈神社への参道 裏坂界隈」拡大写真はこちらで
東参道一の鳥居 一の鳥居の額
「志波彦神社 塩竈神社」
東参道(裏坂)入口 裏坂道路改修工事記念碑
勝画楼、歌碑 二匹の狛犬が乗った五重石灯籠
五重石灯籠の狛犬
東参道(裏坂)の様子
東参道(裏坂)脇の竹林 七曲坂最上部の様子
七曲坂は、塩竈神社参道の中で最も古く、神社の創建と同時期の奈良時代頃と推測されています。往時は入江となっていた祓川を舟で渡ってこの坂に至道筋が使われ、更に上野原や利府春日、松島方面へ通じる生活道路ともなっていました。
七曲坂との合流地点 御神馬・金龍号の住む神馬舎、神龍社
神龍社 御神馬・金龍号
七曲坂との合流地点上に建つ二の鳥居
二の鳥居後ろにいる年代不明の出雲構え獅子
剥落が酷く、阿吽の位置が反対です。
狛犬の拡大写真はこちらで
参道脇、年代不明の出雲丹後狛犬
 剥落が酷く、阿の口の周囲は欠けています。
狛犬の拡大写真はこちらで
東神門前、東参道と志波彦神社からの広い参道の合流地点にいる文久2年(1862)生まれの狛犬
未だ気仙沼には行っていないので良くは分かりませんが、この地域の狛犬とは感じが異なります。阿には宝珠が付き、吽は穴が開いています。縦に潰れ気味の獅子頭のような顔で、かなり体高が低く、前脚が太く全体的に逞しい印象を受けます。丁寧な彫りで良い出来の狛犬です。
狛犬の拡大写真はこちらで
(石工・気仙沼 友輔 文久2年(1862)11月建立)
東神門

境内へ