黄金山神社

石巻市鮎川浜金華山5(平成19年7月24日)

 この神社は石巻市の太平洋上に浮かぶ島・金華山に鎮座しています。金華山に来ることは私の若い頃からの夢で、今回の宮城県の神社詣での最大の目的地でした。金華山へは「鮎川港」または「女川港」からの定期船で渡ります。最短は鮎川港からの高速船で12分、女川港からでは約25分ほどです。今回私達は鮎川港から乗船し金華山へ向かいました。今まで見てきた出雲や佐渡、淡路島などの海にも感激しましたが、今回は天気も良く海も穏やかで透き通り、最高のコンディションでの参拝となりました。
 金華山港の桟橋に降り立つと、すぐに神輿のお旅所が有ります。大鳥居からゆっくりとコバルト色の海を眺めながら表参道へと歩く事約10分、濱神社のお社が見えてきます。その先は緩い坂道で、昼尚暗い杉の古木が生い茂る参道となり、約6・7分で石段の上の石灯籠が見えれば、もう境内はすぐ近くです。
 境内には樹齢800年のご神木・大欅が聳え、五十鈴神社、八代龍王神、金椿神社、弁財天奉安殿などの境内社が散在しています。その中央を貫くように107段の石段が造られており、石段の途中には荘厳な随神門が建っています。境内にはいると、息を呑むほど壮大で、荘厳美麗な拝殿が建ち、その奥には今にも抜け出して来そうな上り龍・下り龍が彫られた中門と透かし塀、その内側に華麗で大きな流造の本殿が建立されていました。
 今回私の長い間の夢が叶ったわけですが、期待以上の感激と幸せと満足感を味わう事が出来ました。

 御祭神:金山毘古神、金山毘賣神、(奥殿(奥ノ院)の大海祇神社:大綿津見神、市杵島姫神)
 例祭日:歳旦祭・1月1日、元旦祭・2月12日、祈年祭・2月17日、奥殿大海祇神社例祭・3月18日、恵比須祭・10月10日、新嘗祭・11月23日、大祓式・除夜祭・12月31日
 初巳大祭前夜祭:4月30日、山神社例祭:1月8日、初巳大祭本祭・5月1日、滑石神社例祭:1月28日、初巳大祭・神輿渡御・5月5日、大海祇神社例祭:3月18日、初巳大祭閉扉祭・5月7日、水神社例祭:4月24日、夏越の大祓式・6月30日、五十鈴神社例祭:6月16日、龍神まつり・龍踊り奉納・7月27・28日、愛宕神社例祭:6月24日、例大祭・9月25日、金椿神社例祭:6月25日、神鹿角切り行事・10月6日、濱神社例祭:7月10日
 末社:山神社、滑石神社、水神社、五十鈴神社、愛宕神社、八代龍王神、金椿神社、濱神社
 由緒:今から凡そ1250年前、聖武天皇の御代天平21年(749)に、陸奥の国守百済王敬福が朝廷に黄金を献上した。天皇は大いに喜ばれ、年号を天平勝宝と改められたこの史実は、我が国最初の産金として史上有名なことであり、この史実に因み、同2年牡鹿連宮磨等が、相議り国守に請願し秀麗の地金崋山に金を司る金山毘古神・金山毘賣神を奉祀し、神社を創建したのが、金華山黄金山神社である。
 中古以来、神仏習合時代は弁財天を守護神として、仏像を祀り金華山大金寺と称し多くの信仰を集め、女人禁制を敷いた。永万、仁安の頃(1165〜1168)は、平泉の陸奥守藤原秀衡が、寺領三千石を寄進、堂塔及び四十八房を山内四ヶ所に建立、荘厳美麗を極めた。その後更に奥州総奉行に任ぜられた(文治5年)石巻城主葛西三郎清重が千五百石を寄進し壮観であった。しかし天正の乱の兵火に罹り焼失し、文禄2年(1593)下野国岩倉の僧成蔵坊長俊(栃木県日光市の僧正)が大金寺を再興し、代々真言宗にて祭祀を奉じていた。即ち、東奥の三大霊場(出羽三山・恐山・金華山)として修験者が次々と来山し、修行を積んだ者は、金華山信仰を各地で広めていった。後、文化10年再度の火災にあったが、仙台藩主伊達家において、一山を除地として管理を大金寺に任ぜられ、更に寺塔を建立し、伊達家累代の崇敬あり、年毎に隆盛をきたした。
 そして明治2年、神仏分離令により、仏号を除き黄金山神社と復古したのである。この時17世康純坊運昌は服飾して、奥海正と改め神社に奉仕することとなり女人禁制も解除された。この際、御祭神も復古して、金山毘古神・金山毘賣神の二柱とし、頂上奥殿(奥ノ院)大海祇神社の御祭神は大綿津見神、市杵島姫神(弁財天)外二柱を奉祀した。明治7年には県社に列せられ、昭和21年制度の改革により国家管理を離れ、宗教法人を設立し、神社本庁に所属、昭和27年に別表神社となった。(黄金山神社公式HPより)

海上から見た金華山
金華山は、宮城県石巻市の太平洋上に浮かぶ周囲約26Kmの島のことであり、また、その島にある山のことでもあります。島全域が山で最高点は445m、平地はほとんどありません。古くから信仰の島であり、神社付近を除く大部分が国有地で、1979年には南三陸金華山国定公園として指定され、未だに手つかずの自然が多く残されています。
島内のご案内はこちらで
金華山の船着き場 この船は私達がお世話になった
レスボワール号です。
船着き場から上がると、すぐに神輿のお旅所が有ります。 さて、いよいよ黄金山神社へと、約20分程の道のりを歩くことになります。
坂道途中の一の大鳥居
大鳥居付近から見えた、あくまでも透き通った紺碧の海
カモメも岩の上で濡れて冷えた身体を休めていました。
少し歩くと境内から続く沢があり、神橋の側面が見えてきました。 神橋近くから見えた金華山港
境内から続く沢に架かった神橋 神橋から見た上流の様子
神橋の少し先に、二の鳥居が建っています。その左側に濱神社が鎮座しています。
濱神社入口 濱神社社殿
濱神社の少し先の
参道脇に聳える趣ある古樹
いよいよ神社の参道らしく
杉林が見えてきました。
昼尚暗い杉の古木が生い茂る参道
石灯籠が見えてきました。
いよいよ境内へと足を踏み入れます。

境内へ