板列(いたなみ)神社(板列稲荷神社)

与謝郡与謝野町岩滝582(平成22年7月28日)

東経135度9分15.93秒、北緯35度34分4.87秒に鎮座。

 この神社は岩滝幼稚園や岩滝グラウンドの北約100m、板列公園に隣接した山の端に鎮座しています。道路から見える景観は、山の森を背景に、綺麗に整備された参道が雰囲気の良い神社です。
 落ち着いた佇まいの中に鳥居が立ち、広い参道が続き、石垣の上の妻入りの拝殿、弊殿、覆い屋内の柿葺流造りの風流な本殿が目を楽しませてくれます。境内右側の朱の鳥居奥には土中に埋め込まれたような小祠があり、お狐様がおられるので稲荷社かと思われますが、珍しい祀り方と思わず感心。又、木の柱の上に小さな社殿が置かれた、妖怪ポストのような小社もあり、この社では独特の祀り方の境内社を二社も拝見しました。
 狛犬は先代も含めて4対いますが、いずれも出雲丹後狛犬でした。
 社号標には「板列神社」、拝殿の額は「板列稲荷神社」となっていますが、どちらが正式名称かは分かりませんでした。

 御祭神:稲逎売神(豊受大神の別名)
 祭礼日:5月1日
 境内社:水無月神社、男山八幡宮、稲荷神社
 由緒:旧村社。創建年は不詳ですが、延喜式に記載された與謝郡・板列神社の論社となっています。
 因みに論者は下記の二社です。
  板列八幡神社・与謝郡与謝野町男山178
  板列神社・与謝郡与謝野町岩滝704-1
 中世には社運は衰退し、永禄年間(1558〜1569)には、細川氏より一色家の祈願所であるという理由で、別当寺であった龍泉寺と共に焼き打ちにあいました。村民はその焼跡に小祠を建て祭事を続けて来ましたが、その後、文政9年(1826)再度の罹災で僅かに残っていた古記、社伝等すべて鳥有に帰してしまいました。
 現社殿は明治7年に建立されています。

社頭
一の明神鳥居 社号標
「板列神社」
参道の様子
参道途中にいる昭和3年生まれの出雲丹後狛犬
狛犬の拡大写真はこちらで
(昭和3年(1928)建立)
二の明神鳥居
境内入り口
境内入り口石垣下にいる出雲丹後狛犬
頭頂部や体表に苔を生やして貫禄十分な狛犬で、阿はお腹の下に、横向きに座る子狛を連れています。
狛犬の拡大写真はこちらで
(大正10年(1921)建立)
拝殿
拝殿に掛かる額
「板列稲荷神社」
拝殿内の様子
弊殿
本殿覆い屋と柿葺流造りの風流な本殿
境内社:稲荷神社
境内社入口に立つ明神鳥居
境内社を護る天保元年生まれの出雲丹後狛犬
体中苔だらけで顔の表情も良く掴めませんが、台座の造りや姿態から見て、現役の中では最古参の狛犬ではないでしょうか?
狛犬の拡大写真はこちらで
(天保元年(1830)庚寅建立)
境内社:水無月神社、男山八幡宮
境内社
石垣手前右側にいる先代さん