叶神社

横須賀市西浦賀1-1-13(平成22年5月3日)

東経139度43分19.25秒、北緯35度14分19.12秒に鎮座。

 この神社は浦賀湾沿いに鎮座しています。一の鳥居は208号線脇に「郷社叶神社」の社号標と共に立ち、神社の入口は一本奥に入った道路沿いにあります。玉垣が巡らされた入口に二の鳥居が立ち、社殿は後方の丘の中腹に作られています。参道途中に天保4年(1833)奉納の銅製大灯籠があり、ここから左に行くと社務所があります。社殿へはここから石段を上がりますが、上の境内玉垣親柱には隠れるように忍んでいる玉垣狛犬がいて気持ちを和ませてくれます。又、境内にはこの地域の狛犬の範となっている、天明6年生まれの実に堂々とした狛犬がいます。この年代の狛犬としては、江戸狛犬にも後れをとらないほどの傑作ではないでしょうか。
 社殿は、天保13年に再建されたもので、本殿、弊殿、拝殿は一連の権現造りです。社殿内外には見応え充分な彫刻装飾が施されています。又、境内には、稲荷神社・三峰神社・大鷲神社・淡島神社、福寿辨財天、金昆羅大権現等の境内社が祀られています。
 決して大神社ではありませんが、社殿、狛犬など見応えある素晴らしい神社でした。

 御祭神:誉田別尊(応神天皇)、比売大神、息長帯比売命(神功皇后)
 祭礼日:1月1日・歳旦祭、1月3日・元始祭、2月3日・節分祭、2月11日・建国記念祭、2月初午・稲荷神社例祭、3月21日・春季祖霊祭、3月最終日曜日・祈年祭、4月最終日曜日・金刀比羅神社例祭、5月中旬土曜日・川間鎮座 榊神社大六天例祭、5月中旬日曜日・榊神社大六天神幸祭、6月中旬土曜日・浜町鎮座 為朝神社宵宮、虎踊り奉納、6月中旬日曜日・為朝神社例祭、神幸祭、6月24日・愛宕神社例祭、6月30日・大祓式、8月13日・大鷲神社例祭、9月第2土曜日・叶神社宵宮祭、9月第2日曜日・叶神社例祭・付祭り、9月15日・当日祭、10月17日・神嘗祭、11月15日・七五三祝祭、11月最終日曜日・新嘗祭、12月13日・大鷲神社臨時祭(酉の市)、12月31日・大祓式
 境内社:稲荷神社・三峰神社・大鷲神社・淡島神社、福寿辨財天、金昆羅大権現
 由緒:当社は養和元年(1181)神護寺文覚上人が京都、石清水八幡宮より勧請し創建しました。
 その由縁は、文覚上人が源頼朝の為に源氏再興を発願し、治承年間(1177〜1180)上総国(千葉)鹿野山に参篭しました。源氏氏神と称え奉る石清水八幡の神に祈念をし、源氏再興の本願が叶えられれば勝地を探し求め八幡の一社を建立、末永く祭祀をせんと誓いをたてました。
 養和元年大願成就の前兆を感得し、社殿建立の勝地を求め、各地遍歴の末に鹿野山に相対する浦賀西岸の現在地に石清水八幡宮の神を祭祀する社宇を建立し、文治2年(1186)神の霊験により源氏再興の大願が叶うたところから、叶大明神と称するようになりまた。
(「叶神社公式サイト」より)

浦賀湾沿いの208号線脇に立つ一の鳥居 社号標
「郷社叶神社」
社頭
神社入口の二の鳥居
天保4年(1833)奉納の銅製大灯籠
境内への石段参道
玉垣親柱に隠れるように忍んでいる玉垣狛犬
まるでかくれんぼをしているような姿で、本当に可愛い狛犬です。玉垣が奉納された年代がはっきりすればこの狛犬も建立年も分かるのでしょうが、残念ながら、今の所は不明です。
狛犬の拡大写真はこちらで
境内にいる天明6年生まれの狛犬
双方阿で、実に堂々とした狛犬です。今回この周辺で見てきた狛犬の中では、最優秀作なのではないか…と、夫共々考えています。この狛犬はこれで一対とも見えますが、実は東浦賀・叶神社にいる一対の吽狛犬とそれぞれが組み合わされるそうで、神社共々東西の結びつきが極めて強いというか、粋な作り方をしたものですね〜。
狛犬の拡大写真はこちらで
(石工・新居源右門 天明6年(1786)丙午3月吉日建立)
拝殿
現在の社殿は、天保8年(1837)2月1日焼失し、天保13年に再建されたもので、本殿、弊殿、拝殿は一連の権現造りです。本殿、弊殿は総檜造りで、当時のお金で三千両を要し、以前にも勝る社殿の建立を見ました。殊にこの時、社殿内外に見事な彫刻装飾が施され、その彫刻を施したのが、安房の代表的彫刻師、後藤利兵衛義光で、彼の生涯を通しての最高作と云われています。
拝殿・本殿彫刻の拡大写真はこちらで
拝殿内にいる黄金の神殿狛犬
本殿
境内社:福寿辨財天
合社:稲荷神社・三峰神社・大鷲神社・淡島神社 境内社:金昆羅大権現
神社入口から一の鳥居を振り返る
一の鳥居から浦賀湾越しに、対岸に鎮座する東叶神社が望めます。