久志伊奈太伎比��（くしいなだきひめ）神社

七尾市飯川町40-56(平成21年5月4日)

東経136度56分7.37秒、北緯37度0分11.32秒に鎮座。

　この神社は徳田駅のすぐ東側に鎮座しています。道路に沿って南北に細長く社地があり、100ｍ程ある参道は殆ど遮る物もなく非常に開放的な神社です。流石に境内の周囲には杉の木が植えられ、少ないながらも鎮守の杜が形成されていますが、明るく伸びやかな感じの神社でした。境内正面に妻入りの拝殿が建ち、その後方に本殿覆屋が幣拝殿と続く形で造られています。境内左には別の参道入口が設けられ、境内社の稲荷神社が祀られています。

　御祭神：奇稻田姫命、大鷦鷯命、天照大神
　由緒：竒稲田姫命は出雲国足名椎手名椎の御子神にして素盞嗚命の御妃神で気多大神の御母神なり。
　創祀の年代は不詳ですが、裏日本開発の祖神として、また生活の守護神として奉斎されたと伝えらる。
　社伝によれば崇神天皇の御代、官幣の儀あり、醍醐天皇の御代には官社に加列され、延喜式内の名神社として、朝民の尊崇篤く、また鎌倉の時代に若宮八幡神（大鷦鷯命）を勧請し、中世武門の崇敬も厚く、能登国守護職・畠山氏は、累世崇敬され、次で長連頼は社頭を造営せり。
　往古より惣社、若宮さんとして広く慕われ崇敬せらる。
　天照大御神は鹿島郡鹿島町蟻ケ原に斉明天皇の御代奉斎せし元蟻ケ原神社の産土神として崇敬せしが、昭和 39年閉村に伴い、当本社に合祀さる。
（「石川県神社庁公式サイト」より）
　明治までは、若宮八幡宮と称し、御祭神も八幡神が主祭神で、相殿に奇稲田姫命となっていたようです。境内社の稲荷神社は、東照宮を相殿に祀り、元　天領六十二ヶ村の氏神として祀られていたものです。
　この社は旧郷社で「式内社　能登國能登郡 久志伊奈太伎比�盗_社」の論社の一つですが、他に「久志伊奈太伎比�盗_社・七尾市国分町ラ 1」があります。

「久志伊奈太伎比�盗_社御由緒」拡大写真はこちらで

社頭　一の台輪鳥居	社号標

境内の様子　二の台輪鳥居

拝殿

本殿覆い屋

境内社：稲荷神社入口

稲荷神社拝殿	稲荷神社本殿覆い屋

参道左側にある県指定史跡・院内勅使塚古墳 古墳時代末期の横穴式石室墳。横穴式石室は径１ｍを超える大型石材で構築され、天井石を完存する石室としては県内でも数少ない事例。その様式は蘇我馬子の墳墓とされる石舞台古墳（奈良県高市郡明日香村）に近似し、その縮小版ともいえ、能登国造能登臣氏一族の墳墓であった可能性が濃い。（「石川県の文化財」より）