舟津神社

鯖江市舟津町1-3-5(平成20年11月2日)

東経136度11分28.34秒、北緯35度56分8.43秒に鎮座。

 この神社は鯖江駅の南約500mに鎮座しています。
 8号線沿いに社号標と石鳥居が建ち、緑豊かで綺麗に整備されている参道が150mも続いています。途中には二の石鳥居や県指定重要文化財の両部大鳥居が建ち、一般道で分断されている境内入口には県指定重要文化財・半木半石の朱塗りの珍しい赤鳥居が建っています。
 二対の狛犬が護る参道正面には県重文指定の柿葺五間社流造本殿が建ち、荘厳で流麗な姿を見せています。拝殿は平成3年9月27日に襲来した台風19号により倒壊し、再建の準備中だそうです。
 その左手には大杉大明神として祀られる市指定天然記念物・大杉が堂々と聳え立ち、その杉の根元には末社が三社あり、手前に境内社の熊野神社、八幡神社が祀られています。
 大きな鎮守の杜に囲まれた神社はとても市街の中心部に鎮座しているとは思えないほどの静寂が味わえ、ゆったり・まったりとしたとても落ち着いた参拝が出来ました。

 御祭神:大彦命、猿田彦命、孝元天皇、素佐鳴雄命
 祭礼日:例祭・9月20日
 境内社:八幡神社、金山彦神社、金毘羅神社、庖瘡神社、熊谷稲荷神社、日吉神社、熊野神社、土輪神社、白山神社、稲荷神社、大日霎神社、大洗磯崎神社
 由緒:御祭神は、崇神天皇御宇の四道将軍の一人として知られる大彦命で、相殿には大山御板神社を祀る。共に式内社。
 大彦命(大毘古命)の北陸道派遣のことは、『古事記』及び『日本書紀』の崇神天皇10年(前88)に見えるが、『舟津社記』によれば、大彦命は、淡海より角鹿の津に赴き、八田という所に着き舟場より乗船して東進し、途中塩垂の長という長老の教えをうけ、安伊奴彦の先導により深江という所に到り、舟を着けたので舟津といい、この所にある山に上ると、先に消え去った長老に再び逢ったので、この山を逢山(王山)ということになったという。
 この長老こそ猿田彦命で、種々教導をうけ、その神示によりこの神圭二太(御板)の神として祀り、賊の挙兵の際にこの神に祈ると、虚空より佐波矢(鯖矢)が落下し賊の魁師にあたり、神示の如く剣に血塗ることなく平定の功をなしたという。
 成務天皇4年(134)大彦命が舟津の地に勅祭され、猿田彦命を祀る御板神社に孝元天皇が合祀された。
 継体天皇元年(507)詔により正税を以て両社の神殿が再建された。大山御板神社を上の宮、舟津神社は下の宮と称されたが、天元年中(978〜83)に下の宮が火災に罹るにより、上の宮の束境に小社を建て遷され、寛仁3年(1019)下の宮の再度の焼失により上の宮に合祀された。
 応永21年(1414)社殿老朽化し神主橋本宮内大輔常住は下の宮の再興をはかり、同23年これを再建し、下の宮の相殿に上の宮を祀り、正中に大彦命、左座に猿田彦命、右座に孝元天皇が祀られ、現在の三座奉祀様式となる。
 寛保2年(1742)王山の東二町の地より束麓の現在地に社殿が遷された。
 古くより北陸鎮護の社として朝野の篤い崇敬を受け、享保6年(1721)間部氏の鯖江入封後は祈願所とされた。
 明治8年5月、県社に列格。昭和51年9月御鎮座二千百年祭が斉行された。
 本殿は、県内最大規模の五間社流造。背面中央三間庇付。文政3年(1820)再建。昭和63年当初の柿葺に葺改められた。大鳥居は、寛政21年(1800)の再建になり、平成3年に解体修理された。拝殿は、天保四年(1833)再建の割拝殿であったが、平成3年9月27日に襲来した台風19号により倒壊し、再建準備中。かつて境内の内外は「舟津八景」として知られていた。
福井県神社庁のサイトより)

社号標
「式内 舟津神社」
神社入口
入り口の一の鳥居 参道の様子
参道途中の二の鳥居 参道の様子

県指定重要文化財・大鳥居
高さ約6.5mの素木の両部鳥居で枠差鳥居とも云われ、寛政12年(1800)に再建、その後、天保10年(1839)、 安政2年(1855)、
昭和33年と3回にわたって修理が行われ、近年では平成2年にも解体復元修理が行われています。江戸時代中期に建てられた、貴重な木造建造物です。
参道と境内入口

境内入口に建つ県指定重要文化財・赤鳥居
半木半石の朱塗りの珍しい鳥居で、安永3年(1774)鯖江藩主・間部詮茂の「藁座」鳥居です。天明5年(1785)、寛政11年(1799)、文政6年(1823)に修理が行われていますが、何れも鯖江藩作事方が奉社して屋根の葺き替えなどを行っていたそうです。
参道にいる明治44年生まれの狛犬
厚い耳を後ろに流し、立てた太い尾から左右に毛を流しています。阿は玉に左前足をかけており、若々しい力強い狛犬です。
狛犬の拡大写真はこちらで
(明治44年(1911)9月建立)
拝殿前、明治43年生まれの狛犬
阿吽の位置が反対で、阿は子狛を連れ、吽は玉に左前足をかけています。越前市大虫町・大虫神社の狛犬とよく似ています。鬣や尾の彫りが深く派手目で、身体中に瘤があり、やや太めの体から重量感が伝わります。
狛犬の拡大写真はこちらで
(明治43年(1910)9月建立)
県重文指定の柿葺五間社流造本殿
文政3年(1820)に再建されたもので県内最大規模の社殿です。昭和60年屋根修理にあたり桟瓦葺を改め、柿葺に復元されました。
境内社:熊野神社 境内社:八幡神社
大杉大明神
市指定天然記念物・大杉 目通り502cm
末社:金比羅社、稲荷社、疱瘡社
神楽殿 絵馬
市指定天然記念物・大白樫 周囲371cm