君津市常代806(平成19年2月11日)
この神社は小糸川左岸に位置する常代地区内の通称・城山と呼ばれる常代城跡北に鎮座しています。小糸川の河岸段丘上の土地で、神社の背後は深さ10m位の空堀状になり、その奥は竹藪の切り落としたような台地になっていて、境内の綺麗に整備された明るく清々しい神域の雰囲気を、尚一層際立たせていました。
御祭神:豊受姫大神
由緒:三代実録(平安時代に編纂された歴史書で、901年に成立)に「元慶元年(877)に、常世神として、「従五位下」が授けられた。」と記載されている古社です。通称・お羽黒さまと呼ばれ地域の方達から親しまれている神社ですが、御祭神の豊受姫大神は普通稲荷社の神様です。可笑しいな〜と思っていたら、神仏習合の時代には、隣接する花厳院がこの社の別当寺で、この地域は山岳信仰の出羽三山(月山・羽黒山・湯殿山)の修験道が盛んで、山号を「羽黒山」、院号を「花厳院」といっていました。明治になり修験道は政府から弾圧された為、やむを得ず御祭神は差し替えたものの、尊称はそのまま残ったのでしょう。(「君津市史」参照)
神社入口 | 参道の両部鳥居 額には「村社 常代神社」の文字 |
寛政元年(1789)生まれの江戸尾立ち狛犬。 わざわざ江戸深川から石工さんを呼んで造らせた物の様です。 この石工さんはこの時杢師の八幡神社の狛犬も造ったようです。 阿は宝珠を、吽は髷の様な角を付け、短い顎髭、首の縦線が特徴です。 この年代の狛犬としてはポピュラーな姿態…というか何体も見かけましたが、 これはその内でも石工さんの力が入った傑作でしょう。 狛犬の拡大写真はこちらで |
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(深川材木町石工・権七 寛政元年(1789)3月建立) | |
拝殿 | 本殿 |
拝殿前の狛犬。何をそんなに落ち込んでいるのか? 元は若々しいので青春の悩みでも抱えているのか? 脚を踏ん張り、じ〜っと下を向いて考え込んでいます。 阿は髷の様な頭に張り付いた角を、吽は太めで立っている大きい角を付けています。 可愛くて大好きな狛犬です。 狛犬の拡大写真はこちらで |
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本殿右手に祀られた境内社、拝殿と本殿 | |
境内右手奥、斜面上に祀られている小御嶽大神 | |
食行身禄?(?は人偏、木偏、句で一字)碑 | 末社 |
末社の脇壁の彫刻。両面共に猿が彫ってありますが、 特に左側のお猿さんはワンピースの様な衣服を着ています。 |
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拝殿前から入口を振り返る。 | |
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