熊野神社

能代市河戸川字新屋布116(平成18年7月25日)

 この神社は河戸川地区の保育園隣に鎮座しています。この日も境内入口の駐車場には沢山の車が止まり、若いお母さん達がお子さんを連れて来ていました。家は幼稚園でしたが、もう何十年か前の光景を思い出し、懐かしく拝見していました。
 こんもりとした鎮守の杜を持つ、園児の泣き声が無ければ静かで落ち着いた綺麗な神社ですが、由緒書きが無く、創建などは全く分かりません。御祭神は伊邪那岐命と思われます。またここには砂防林と開田事業を4代に渡って尽くし、天明の大飢饉の時に自家の土蔵を開いて米・味噌を施し、村民の窮乏を救った「大塚甚十郎」像がありました。

社号標「村社 熊野神社」 神社入口
こんもりとした鎮守の杜 境内の様子と奥に社殿
年代不明の逞しい秋田狛犬。
一段と横広顔で、尾がビックソフトクリームのようです。
またこの地域では、奥ゆかしく爪を引っ込めている狛犬が多かった気がします。
安政5年(1858)生まれの、超上向きおじさん顔の小さな狛犬。
ツンと上を向いたまん丸お鼻や、平歯が目立ち、身体の筋や瘤がまだ良く残っています。
(安政5年(1858)3月吉日建立)
ご神木と庚申塔 境内社
境内の一画に「大塚甚十郎」像がありました。
この方は、飛砂の害に悩まされていた能代砂丘を、今では「風の松原」といわれている見事な砂防林に仕立てた先駆者の一人です。
河戸川地区に江戸時代の 宝暦5年(1755)から松の苗木を植樹・砂防林を造成された郷土の恩人のようです。
この時活躍した賀藤景林は「景林神社」(能代市日和山)に、栗田定之丞は「栗田神社」(秋田市新屋)に祀られ、その業績を顕彰されています。