愛宕神社

西村山郡西川町海味小林1072(平成20年5月4日)

東経140度9分20.19秒、北緯38度25分27.5秒に鎮座。

 この神社は西山小学校の東約450mに鎮座していますが、県別の地図をはじめ、殆どの地図に記載がありません。たまたまカーナビに記載があり、昼食を食べたお店の近くだったので寄ってみた神社です。
 入口は平坦地にありますが境内そのものは小丘陵の上にあり、参道は二段階に分かれた石段を急登する事になります。山の斜面は自然林で新緑が目にも鮮やかに映ります。疲れるけれど気持ちの良い参道の途中には寂の利いた両部鳥居が建ち、尚も上がり続け息の上がった頃に、ぱっと開けた明るい境内に出ます。境内は広々として周囲には木々の新緑が充ち満ち、正面には大きく立派な拝殿と奥に流造りの本殿が建ち、境内社や石碑などが点在しています。
 またここでは帰りがけに、東北芸術工科大学・文化財保存修復研究所の張 大石先生にお会いし、山形市鳥居ヶ岡に平安時代建立の古い鳥居が現存している事、それが古の先人達の壮大な宗教観から建立されたことなどを教えていただきました。先生のお話は興味深くまた面白かったので、もっともっと時間を掛けてお話を伺いたかったのですが、先生は学生さん達を連れての下見の途中でしたし、私達もこの日は山形市内のホテルに宿泊予定で日暮れまでに山形市内に到着しなければならなかったので、「明日必ず見学いたします。」と謝辞を述べて、名残惜しくもお別れしたのでした。

 御祭神:迦具突智命、庭渡比売命、菊理姫命
 由緒:創立年代は宝永年間(1704〜1711)といわれていますが、案内が無く詳しい勧請年月・縁起・沿革等は不明です。現在の社殿は昭和6年に建立されたものです。

社号標 神社入口
入口右に祀られる
廿六夜供養塔、子待塔、お地蔵様
馬頭観世音、已待供養塔
湯殿山蚕供養塔 石段の参道
石段途中の両部鳥居 境内入口
昭和2年生まれの狛犬
阿吽の位置が反対に置かれています。実は始めに境内入口で見たときには「変な顔の狛犬だな〜…。」と思ったのですが、近くに寄ってしみじみと眺めると阿の上顎が付け根で外れ、下顎の上に置かれていたのでした。普通の狛犬の上顎よりも大分薄めに造られているので自然に欠けたものと思われますが、その余りにも無様な姿を写真に残すのは忍びなく、夫が境内の小石を口中に入れ写真を撮り、撮影後にまた元の状態に戻したのでした。(という事で、写真は一部修正してありますが、一日も早い修復を望んでやみません。)
垂れ耳で獅子頭のような顔つきをしていますが、笑っているような楽しくなる雰囲気を持っている狛犬です。お尻をド〜ンと落とし前足を踏ん張っている様は、威嚇をしようか、後退しようか…と迷っている様にも見えます。尾は長く背に張り付き先は生クリームの絞り出し状態になっています。
 狛犬の拡大写真はこちらで
(昭和2年(1927)4月建立)
大きく立派な拝殿
流造りの本殿
境内社全景と社殿
境内社を護る昭和10年生まれの構え獅子
でも構えとはいわずどちらかというと「伏せ」をして主人に甘えている様にも見えます。
狛犬の拡大写真はこちらで
(昭和10年(1935)11月建立)
境内社 大日堂
十八夜塔 黄金山大神碑
仏像 太神宮、二十三夜塔
湯殿山、象頭山碑 末社、七夜霊供養塔、金比羅山碑
境内の様子 境内から参道を振り返る