水門・吹上(みなと・ふきあげ)神社

和歌山市小野町2-1(平成18年月3日)

【関西支部 Showちゃん通信員より】
 詳しい由緒書は有りませんでしたので、詳細は判りませんが、祭神は御子蛭児神と大己貴神です。えびす様をお祭りしていますので1月10日の『えべっさん』(大阪で十日戎のお祭りのことをこう呼んでます)はにぎわうのですが、普段はほとんど人気がありません。狛犬は昭和十年十二月に石原石材店が制作とありました。ご本殿は鉄筋コンクリート建のようです。たぶん空襲で消失した後に戦後建てられた物だと思います。

 御祭神は御子蛭児神(戎様)、大己貴神(大黒様)です。天正の戦いにより、古文書などは消失したようで詳細は不明ですが、承保2年(1075)以前の創建と考えられるようです。紀伊続風土記に依ると、古名・雄ノ芝という所にあり湊及び吹上の産土神で、二神相殿に祀られ、恵美須社は湊の産土神、天正年間(1573年〜1591)に合祀された吹上ノ社は吹上の産土神でした。その為、七福神の内、恵比須神と大黒神が祀られるという珍しい神社となりました。中世、畠山家や淺野家等からも崇敬を受けていたようです。
 また、古事記によれば、神武天皇が東征の折り、長髄彦との戦いで兄神・五瀬命が重症を負って海上に逃れたのですが、この水門の湊あたりで力尽き、雄たけびをあげて亡くなりました。そてでこの地は「雄たけび」と「水門の湊」から「雄湊(おのみなと)」と呼ばれるようになったといわれています。その後、五瀬命は竈山に葬られたようです。 

 

立派な拝殿 銅葺流造の本殿
遠くで見ると威厳に満ちた顔つきですが、アップだと愛嬌のあるいい顔をしています。
鬣や尻尾の大きな渦が特徴的な全体的に整った狛犬だと思います。
(石原石材店 昭和10年12月建立)