金比羅神社

西牟婁郡白浜町中(平成18年3月28日)

 この神社は紀勢本線・紀伊富田駅から212号線で南西に向かい、南白浜で右折。大栄白浜年金ホーム前を通り、左に入ると鎮座しています。
 この地は権現平と呼ばれ、熊野権現が本宮に鎮座する以前に鎮座したと伝えられる地です。けれどここは海に近く、余りに波の音が五月蠅いので、熊野権現は静かな場所を求めて日置川を遡り追ケ芝で鎮座しようとしましたが、ここでも波の音が聞こえたので一日で諦め、再び理想の鎮座地を求めて旅立ちました。そして遂に熊野川と音無川の合流点の中洲・大斎原に理想の土地を見出し、そこに永住する事を決めたのだそうです。
 斯様に由緒ある地の古社なのですが、ここも明治期の神社統合の嵐には勝てず、ある時期他社に合祀され廃社の憂き目にあっています。けれどこの時村民が結束して郡衙に訴え、復社のはこびとなったのでした。その時の逸話に合祀先の神社の神職が自分を兼務させて貰いたいため御神体を返さずにいたところ、実は合祀の折りには偽神体を渡し真の御神体は隠してあったので、復社に際しては何の障害もなかった、という落ちが付いています。この手の話は結構あちこちで聞きますね〜。
 御祭神は大物主神と思われ、辺鄙なところに鎮座しているのですが、参道や境内にはたくさんの桜の木が植えられ、手入れも行き届いた、とても良い雰囲気の神社でした。

神社入口 参道に咲く満開の桜
参道の様子。桜並木が続きます。
境内への階段 境内入り口
年代不明の出雲丹後狛犬。
でも奉納者が全て屋号と名前で記されているので、江戸時代の物と私は思って居ます。
来待石の為、阿の下顎が欠損、その他、相当剥落が進んでいます。
拝殿前も桜が満開でした 本殿
境内奥には大峰大権現の祠があり、役の行者が二鬼を従えた姿で祀られています。