立(たて)神社

有田市野(平成18年3月27日)

 この神社は国道42号線・野信号から20号線・有田湯浅線にはいるとすぐ右側に鎮座していますが、地図に記載されていません。
 案内によると、主祭神は大屋彦神(素戔嗚尊の御子、五十猛命の別称)、相殿に國常立神、伊弉諾尊、伊弉册尊、摂社に熊野社(早玉男命、 熊野皇子櫛御食野命 )をお祀りしています。
  鎮座の年代は不詳です。嘉応元年(1169)領主・宮崎定範が城を築いた折、この五神社境内へ別に社殿を建立し、熊野十二柱の神を祀りました。けれど、天正年間(1573〜91)豊臣氏の南伐にあたり、城主は滅し、社殿は焼失してしまいました。その後、代々の紀州藩主には崇敬されていました。
 古伝によると、この地は有田川の衝にあたり、神社の巖下は深淵をなし、その上に立つ数丈の奇巖を立石といい、立神の名はここから付いたとされ、水主神を祀ったものだろうといわれています。
 落ち着いた雰囲気の社域は広く、ホルトノキ、ばくちの木、ヒメユズリハ、スダジイ等が繁る鎮守の杜は、ヤクシマシジミ(蝶)の和歌山県に於ける最北端の分布記録地となっているそうです。

駐車場の社号標 正面参道の神橋と社号標、鳥居
境内の様子 立派な拝殿
拝殿前のしょうわ狛犬
(昭和16年12月建立)
重厚な本殿 摂社・熊野社