布勢神社

氷見市布施1826(平成21年5月4日)

東経136度57分44.59秒、北緯36度49分4.99秒に鎮座。

 この神社は氷見駅の南西4Km、布施の円山(ふせのまるやま・標高20m)の小丘上に鎮座しています。
 道路脇に社号標が建ち、参道途中に「布勢の円山」の案内があります。台輪鳥居を潜るとすぐに山上に続く石段参道があり、直登が厳しい人のために左側には緩やかな回り道も造られています。
 社地は、風光明媚な布勢の円山の全山に及び、社殿裏の松林に建つのが、大伴家持を祭った境内社「御影社」です。現在は、鳥居が建ち、覆い屋に保護された流造の社殿が建っていますが、もとは小さな祠だったようで、旧御影社社殿としてその右手に残されています。大伴家持を祭った全国的にも数少ない社で、アララギ派の歌人・土屋文明をはじめ、万葉集に興味のある人々が訪れているようです。拝殿正面上にも雅で風流な色紙に書かれた歌が沢山奉納されていました。

 御祭神:大彦命
 境内社:御影社
 由緒:延喜式内社であり、旧村社です。布勢臣の祖である大彦命を祀っています。万葉時代の「布勢の水海」の中に位置していたと言い伝えられる布勢の円山山上に建ち、御祭神・大彦命は、崇神天皇10年(紀元前88年)北陸道鎮撫将軍として派遣された四道将軍の一人です。境内社・御影社の御祭神・大伴家持は、746年かた751年まで越中の国守として越中国府(現在の伏木)に赴任していました。布勢水海をこよなく愛し、遠く都から訪ねてきた友人らと舟遊びをし、美しい風景を数多く歌に詠んでいます。

社頭 社号標
「延喜式内
 布勢神社」
「市指定名称
 布勢の円山」
案内
参道途中に建つ台輪鳥居
円山に直登する石段参道
境内入口
境内の様子
拝殿前、明治45年生まれの狛犬
加賀狛犬風ではありますが、ややデフォルメ化され、彫りが堅く感じます。
狛犬の拡大写真はこちらで
(明治壬子45年(1912)3月建立)
拝殿 拝殿に架かる額
本殿鞘堂

境内社:御影社
御影社を護る厳つい狛犬
(昭和60年(1985)9月建立)
旧御影社社殿
県内最古のものといわれる享和2年(1802)建立の万葉歌碑と、「大伴家持卿遊覧之地」碑
歌碑には「明日の日の 布勢の浦みの藤波に けだし来鳴かず 散らしてむかも」と書かれています。

境内から見える現在の布施の町並み