倭文(しとり)神社

東伯郡湯梨浜町宮内754(平成21年7月28日)

東経133度54分22.05秒、北緯35度29分07.01秒に鎮座。

 この神社は東郷池の北東、御冠山の西側中腹に鎮座しています。
 参道には鉄板が敷かれ、境内には沢山の車が止まっていたので何事かと思っていたら、社務所の建設中で工事関係者の車でした。というわけで、普段は鬱蒼とした自然林に守られた静かな佇まいの神社なのでしょうが、残念なが今回は何となく落ち着かない雰囲気の中、参拝をすませることになってしまいました。
 参道入口の明神鳥居右脇に渾々と清水の湧き出る手水舎があり、随神門から境内までは約200m程。途中には昔難産に苦しむ婦人が願をかけたところ、満願の日の夢に下照姫命が姿を現され、参詣の帰り道、安産岩の所で簡単に出産し、以来安産岩と称するようになったと伝えられる大岩が置かれ、又、参道から右手の山に数分登って行くと、下照姫命の墓であると考えられていた経塚もあります。
 境内入口には文政2年生まれの出雲構え獅子がお尻と太い尾をツンと天に向かって上げた姿で出迎え、玉垣で区切られた境内正面には入母屋造りの大きな拝殿が建っています。その拝殿の後ろ側には、透かし塀内に素晴らしい彫刻が施された大きな本殿が建立されています。

 御祭神:建葉槌命、配祀:下照姫命・建御名方命・天稚彦命・事代主命・少彦名命・味耜高彦根命
 祭礼日:5月1日
 境内社:一社
 由緒:式内社、伯耆国一宮、旧国幣小社。
 具体的な創建年代は不明であるが、平安時代初期の大同3年(808年)の医学書「大同類聚方」には「川村郡倭文神主之家所傳方 原者下照姫神方也 中暑小便止 頭痛煩熱 口乾者與之」(原文)という記述があり、これが文献上の初見とされている。(参考 谷田亀寿 著 舎人村郷土史論上代篇)
 機織に携わった氏族である倭文氏が祖神の建葉槌命を祀ったのが起源とされている。ただし、社伝には下照姫命に関するものが多く、大正時代までは下照姫命が主祭神であると考えられていた。
 社伝によれば、出雲から渡った下照姫命が現在の湯梨浜町(旧羽合町)宇野に着船し、御冠山に登って現在地に鎮まったという。着船したと伝えられる場所には、下照姫命が化粧を直したという「化粧水」や、腰を掛けたという「お腰掛岩」などが残っている。これについて、『式内社調査報告』では、元々は織物の神である建葉槌命を祀っていたのが、当地で織物が作られなくなったことにより建葉槌命の存在が忘れられ、共に祀られていた下照姫命だけが残ったと記している。
 境内の塚が下照姫命の墓であると考えられていたが、大正4年の発掘により経塚であることが判明した。その出土品の銘文から、当社が平安時代後期には伯耆国一宮であったことがわかった。このときの出土品である観音菩薩立像などは国宝に指定されている。
 戦国時代、当地を治めた武将に社領を没収され荒廃したが、天文23年(1554年)に尼子氏が社殿を再建した。また、地元の国人・南条氏からも寄進を受けた。その後当地を治めた池田氏も崇敬し、鳥取藩主の祈願所となった。昭和14年、国幣小社に列格し、第二次世界大戦後は別表神社となった。
 かつて主祭神であった下照姫命が女神であることから、安産に霊験があるとされる。本殿の後には、かつて「乳神」と呼ばれる神木があったが、現在は倒壊している。参道沿いには「安産岩」と呼ばれる岩がある。昔、毎回難産に苦しんでいた女性が願かけをし、その満願の日の夢に下照姫命が姿を現し、参詣の帰途、この岩の所で簡単に出産したため安産岩と呼ばれるようになったと伝えられる。この岩を削って飲むと霊験があるとされる。
(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)

「伯耆一ノ宮倭文神社」境内由緒書きはこちらで

社頭
参道入口の明神鳥居 社号標
「國幣小社 倭文神社」
随神門
品の良いお顔の随神さん
随神門屋根下の彫刻・双龍
随神門外側の木鼻・象
随神門内側の木鼻・狛犬
とても変わった顔つきの狛犬です。
参道の様子
参道脇にド〜ンと置かれている安産石? 参道脇の経塚入口

経塚へ行く途中に祀られている仏像 経塚跡
下照姫の墓と言われていましたが、
大正4年の発掘により経塚であることが判明しました。
参道左側の庭園風に綺麗に手入れされた鎮守の杜
境内入口
境内入口に居る文政2年生まれの出雲構え獅子
この狛犬は構え獅子の中でも特に後ろ脚が長く、首と胴体の関係がサーカスのアクロバットを見ている様な感じです。未だ何処にも損傷はありませんが、背中に亀裂が入っていて今にも剥落が起こりそうな感じですので、何とか早急に補修をしていただけたらいいな〜と思っています。
狛犬の拡大写真はこちらで
(文政2年(1819)4月吉日建立)
拝殿
文化15(1818)年再建の本殿
本殿妻下の彫刻
拡大写真はこちらで
本殿唐破風の木鼻・狛犬
本殿屋根下の木鼻・象と鳳凰?
末社 本殿後ろの鬱蒼とした自然林