天乃神奈斐(あめのかんなぎ)神社

東伯郡琴浦町赤碕1467 (平成21年7月29日)

東経133度38分56.42秒、北緯35度30分39.12秒に鎮座。

この神社は赤碕小学校の西北西約300mに鎮座しています。低いブロック塀を透して拝殿まで見渡せる、明るく綺麗に整えられた神社で、社号標には「郷社 天乃神奈斐神社」と書かれています。参道途中に建つ二つの鳥居を潜ると境内まで石段が続き、神門手前にはこの地域の狛犬とは異質な狛犬が居ました。境内もすっきりと整えられ、拝殿目貫には琵琶を手にした弁財天さんが彫られていました。
旧郷社ですが、地域の方々の崇敬の深さが滲み出ている印象を受けた神社でした。

御祭神:大己貴命・綿津見命、他12柱
祭礼日:10月12日・13日
由緒:創立年代は不詳ですが、「日本三大実録」に「元慶7年(883)従5位下」に昇叙の記載がある神社で、江戸時代は、津上大明神といい、鳥取藩から郡の大神としての祈願所とされていました。
秋の実りを祝い「仲之宮さんの祭り」として親しまれている例大祭には、江戸時代に北前船が京都の祇園祭を伝えて「山車」を巡行するようになり、26集落のうち18地区ほどが台車の上に毎年流行の事物をとりいれた見立て山車を作って曳くそうです。詳しくは「鳥取県立博物館 資料詳細」にてどうぞ。

社頭
社号標
「郷社 天乃神奈斐神社」
参道途中の一の鳥居
参道途中の二の鳥居
石段下、明治18年生まれの出雲構え獅子
狛犬の拡大写真はこちらで
(明治18年(1885)9月建立)
境内へ上がる石段と神門
神門前、台座が無く参道脇のコンクリートの上に直に置かれたはじめ進化系狛犬
今回の旅の中では、これ一対しか見かけなかった、変わった狛犬です。お腹の下が刳り抜かれていないという他にも、唇が尖って薄い、体全体が丸みを帯びている、尾は装飾的ではあるけれど背中に張り付いている…等々、この地域の狛犬とは異なる特徴を沢山持っています。台座が無く形状としては古い形を残していますが、狛犬そのものはそんなに古くは見えません。こんな先代が居て、それを模した物かもしれない…とも考えられます。
狛犬の拡大写真はこちらで
境内の様子
拝殿前、明治23年生まれの出雲構え獅子
狛犬の拡大写真はこちらで
(明治23年(1890)9月吉日建立)
拝殿
拝殿目貫彫刻・弁財天
拝殿に架かる出雲大社式の太い注連縄
本殿
本殿左右後ろを護る厳めしい狛犬
本殿脇にいた出雲構え獅子の先代さん