建山神社

鳥取市青谷町田原谷(平成21年7月28日)

東経133度58分42.59秒、北緯35度28分26.92秒に鎮座。

この神社はかちべ伝承館の南東約300m、標高140mの建山山頂に鎮座し、51号線旧道に入口があります。
お目当ての川六の狛犬は入り口近くにおり、この狛犬を見て参拝はパスしても良かったのですが、夫に「罰当たりな。」といわれそうですし、未だ旅行の一日目で元気もありますし、何とか気力を振り絞って参拝をすることに決めました。
境内までは鳥居の建つ入口から171段もある急勾配の石段が続き、見上げるだけで頭がくらくらしましたが、途中3回ほど休み、息を切らしながらやっと境内まで辿り着きました。
石段左右には、樹齢300年以上の大杉が聳え、山頂の境内はそれほど広くはありません。境内奥に妻入りの拝殿と流造りの本殿が建っていますが、大樹の所為で登った割には周囲の景観を楽しむことは出来ませんでした。
参拝後の帰りが又大変で、苔むした石段を下りるのが又おっかなびっくり、夫の腕に縋り付きながら降りてまいりました。

この社に案内は無く、御祭神・勧請年月・縁起・沿革等は全て不明です。ただ、建山は、神話の時代に鷲峰山と大山が背比べをし、鷲峰山の頂上が落ちてできた山だという伝承が残っているそうですので、ご紹介します。

【伝説】鷲峰山と大山の背比べ
全国の神様たちが出雲での行事が終わった帰り道、鷲峰山(標高921m)と大山(標高1729m)の神様が互いに自分の方が背が高いと言い争いになり、背を比べ合ったそうです。
その結果、鷲峰山が勝ちましたが、悔しかった大山の神様は杓子で頭をすくいとりました。追いかけてくる鷲峰山の神様に驚き慌てて逃げようとした途端、杓子についていた土が落ち、青谷町の建山になりました。
鷲峰山の神が「土はもうないのか」と怒鳴ると、大山の神は袖を振って見せました。そのとき、土がどさっと落ち北栄町の袖振山になったそうです。
(「鳥取県観光情報」より)

社頭
明神鳥居 社号標
石段参道の様子
江戸時代末期に活躍した名石工・川六の狛犬
姿は出雲構え獅子風ですが、安山岩で出来ており、この石工さん独特の大きな目、ペチャンコの鼻等の顔つきで本場物よりも優しさ・親しみやすさを感じさせ、突き上げるようにお尻の上に付いている尾は太く大きく、爪の先に至るまで丁寧に彫られています。吽の台座が大分傾いてきているので、少しの衝撃でも落ちてしまうのではないかとやや心配です。

狛犬の拡大写真はこちらで
(石工・川六 嘉永6年(1853)5月吉日建立)
妻入りの拝殿
本殿
境内から石段下の入口を振り返る
石段は171段あり、かなりの急角度で造られています。登りは3回ほど休み、
息を切らしながらやっと境内まで辿り着きましたが、
帰りは夫の腕に縋り付きながら、おっかなびっくりそろそろと降りていきました。