倉田八幡宮

鳥取市馬場299(平成21年7月31日)

東経134度13分38.06秒、北緯35度27分44秒に鎮座。

 この神社は千代川の東、津ノ井駅の西北西約1.6kmに鎮座しています。
 292号線に面して大きな社号標が建ち、豊かな森の中に入口があります。入口には「天然記念物社叢」と書かれた石柱がたち、鳥居を潜ると注連柱と玉垣。参道に架かる神橋の左右には細長い神池があり、澄みきった水中には魚の影も見えました。
 四脚門を入ると参道奥に千鳥破風付きの屋根を持つ拝殿があり、その左側には伝承樹齢・1000年の大イチョウが、根元で分かれながらも直幹の樹高を高く雄々しく聳え立たせた姿が見えます。その手前に聳えるギンモクセイも、秋にはさぞかし境内中にその芳香を漂わせてくれるのだろうと想像できる大樹です。
 拝殿裏には垣内に三間社流造の本殿が建立され、その背後の森では貴重なクロチクを拝見することが出来ます。
 旧縣社だそうですが、鎮守の杜、境内、社殿など全ての佇まいが素晴らしい、申し分のない神社でした。

 御祭神:品陀和気尊、帯仲津彦尊、息長帯姫尊、合祀:産土神八柱
 祭礼日:例祭・4月15日、御幸祭・4月15日に近い土曜か日曜日(隔年)、秋季大祭:9月15日に近い土曜か日曜日
 由緒:創建年代は不詳ですが、京都・石清水八幡宮を勧請した神社で、鎌倉時代の承元2年(1208)年、その荘園「滝房荘」の記録を初見とします。社領は1,113石余りあり、当時からこの地方屈指の大社であったと伝えられています。
 天正9年(1581)羽柴秀吉の入国の際、兵火で社殿を焼失、社領も没収されました。
 江戸時代、池田光仲公が藩主となってからは社殿を再建、松並木の参道を新設して、この社を一族の氏神と定めて以来、地方の信仰を集めています。
 境内には、樹齢1000年といわれる重量感豊かな大イチョウがあり、また、倉田八幡宮社叢全体は、タブノキの巨樹に富む社叢として、国の天然記念物に指定されています。
 隔年に行なわれる御幸祭では麒麟獅子舞(県指定無形民俗文化財)、のぼり武者行列ややっこ舞などの神事が行なわれ、秋季大祭では民俗芸能のだるま踊り、因幡の傘踊などが奉納されます。

社号標 社頭
入口の明神鳥居
参道に建つ注連柱
神橋と神池
参道途中で木立の中に隠れるようにいる建立年代不明の子連れ出雲丹後狛犬
阿は口中に玉を含み、子狛も玉を持っています。
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神門
境内の様子
境内左右にいる昭和13年生まれの出雲構え獅子
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(昭和13年(1938)4月建立)
境内入口
拝殿前、建立年代不明の出雲丹後狛犬
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拝殿
本殿
境内社
社殿左の磐座? 神楽殿?
鎮守の杜
国指定天然記念物・大イチョウ
幹周・9.7m、樹高・31m、樹齢・伝承1000年
木肌の色がイチョウにしては珍しく灰色っぽく、直幹で樹高が高く重量感豊かなイチョウです。
雌株で、一部の銀杏はオハツキの傾向も示しているといいます。
ギンモクセイ クロチク