鳥取市青谷町八葉寺921(平成21年7月28日)
東経133度59分8.23秒、北緯35度28分19.06秒に鎮座。
この神社は51号線から八葉寺川を遡ること約800m、その左岸に鎮座しています。
神社前面は「八葉寺ホタルの里公園」となっており、6月中・下旬頃にはゲンジボタルが乱舞する幻想的な光景が見られるようです。
この社の鎮座地は、蛍が棲息できるような自然豊かな森と水に恵まれた地域で、特に社頭から見える鳥居後方の「とっとりの名木」に選定されている推定樹齢・500年の大イチョウの木は、際だった存在感と圧迫されるような威厳、悠久の時の流れ…等を感じさせてくれます。
その偉大さに圧倒されつつ正面奥の階段を上ると、これまた町指定天然記念物の幅約100m、高さ約30mもある岩窟が目に飛び込んできます。その岩窟に埋め込まれたように社殿が建立され、右側には境内社(旧本殿)や小さな末社等も祀られています。
残念だったことは、この社には江戸時代末期に活躍した名石工・川六の狛犬が居る…という情報があったのですが、今回何処を探しても見つかりませんでした。それらしき残骸はあったので、もしかしたら地震や倒木により被害を受けたのかもしれません。
でも狛犬の居ない寂しさを差し引いても、この社の独特の雰囲気や幽玄な佇まいは素晴らしく、参拝できて本当に良かったと思っています。
「熊野さん」という愛称で呼ばれるこの社は、元権現社で、今から約470年ほど前、紀州の熊野大社から分霊を勧請し建立したと伝えられています。境内社となっている旧本殿は、切妻造妻入の大社造の社殿で18世紀の建立と考えられています。
神社遠景 |
社頭 |
明神鳥居 |
境内の様子 |
江戸時代末期に活躍した名石工・川六(本名:尾崎六郎兵衛)の狛犬のなれの果てと思われます。平成18年6月17日撮影の鳥取県写真ライブラリーの写真では、子連れの出雲丹後風のしっかりした狛犬が居たようですが、今回どんなに境内を見回してもそれらしき狛犬は見当たらず、僅かに狛犬と思われる残骸が残っていました。この3年の間にいったい何があったのでしょうか…? | |
(鳥取県写真ライブラリーより) 【神社情報・幽黙さんより】(平成22年5月18日) 鳥取の神社を調べておりまして、川六の狛犬情報に関し、青谷町八葉寺の子守神社にあるらしいとのことで、鳥取県写真ライブラリーの写真を参考にあげておられますが、この写真を拝する限り、見聞録様でも掲載されておられる、青谷町紙屋の紙屋神社と背景の社殿の形を含め、同一のものと思われますがいかがでしょうか。青谷町紙屋の紙屋神社と、青谷町八葉寺の子守神社、かなり近くに存在するということもありますが、鳥取県側が情報として間違って提供しているものと推測するのが妥当かと思われます。 という情報を戴きました。こちらでも写真を見比べましたが、確かに同一の狛犬のように見えますので、鳥取県側の情報が何処かで間違ったものと思われます。鳥取県は文献などからこの社に川六の狛犬が奉納されているという情報を得たのだとしたら、上記の崩れかけた狛犬の残骸が、それに相当するのでしょうか? |
拝殿 |
本殿 |
末社 | 境内社 |
神社の背後に約100mに渡って広がる大岩壁と、下部の岩窟に埋め込まれたように建立されている小さな境内社 | |
町指定天然記念物・大イチョウ 推定樹齢・500年、幹周・7m、樹高・45m、根元回り・10m |
町指定天然記念物・岩窟 幅約100m、高さ約30mあり、基部は岩窟となっています。 |
左目のない龍神伝説が残る神池 |