神前(かんざき)神社

鳥取市青谷町鳴瀧421 (平成21年7月28日)

東経133度59分9.1秒、北緯35度29分27.29秒に鎮座。

この神社は51号線に社号標が建っており、そこから凡そ350m程の一般道と共通の参道が、真っ直ぐ南東に向かって付けられています。その途中に鳥居が建ち、この日はちょうど農作業をしておられる方の飼い犬が、鳥居前方で神社を護る…というかのんびりと寝そべって私達を迎えてくれました。
小丘の入口にある社地周囲には豊かに木々が生い茂り、社頭からは構え獅子の後ろに八脚の随神門が見えます。境内は明るく清々しく、清掃が行き届いており、拝殿前にも苔むして貫禄充分の出雲丹後狛犬がいました。
拝殿はこの地域としては珍しい入母屋造りで、幣拝殿の後ろには大きな流造りの本殿が建立されています。社殿左側には境内社・御霊の宮、境内奥には社名の分からない境内社も祀られています。

御祭神:猿田彦命、天宇受売命他
祭礼日:4月19日頃の日曜日
境内社:御霊の宮他一社
由緒:社伝によると、慶雲4年(707)美古峰に勧請されましたが、至徳2年(1385)に現在地に遷座されたといわれています。
又、元弘3年(1333)、隠岐島を脱出された後醍醐天皇は、この社に代参を派遣して武運長久を祈られたといい、その折の短冊などが社宝として残っています。

鳥取県立博物館資料詳細によると、12月丑の日から9日間、「お忌み祭り」という特殊な祭事が行われているようです。これは無音祭りとして、音を立てないで謹慎する神事だそうで、12月の丑の日から始め3日目の卯の日に小祭を執行し、9日目の酉の日に「お忌み開け」をして終了するそうです。3日間の忌み籠りの間には、音を立てない、声を出さない、氏子は神社境内に入らないなど、かなり厳格なしきたりがあり、伝承によると、出雲で開かれる神様の会合に出席され、お帰りになった神様はたいへんお疲れなので、ぐっすりお休みになられるようにとの「お忌み祭り」が祭事になったと考えられています。

神社遠景 51号線に建つ社号標
一般道となった参道に建つ明神鳥居
社頭
参道の様子 参道脇の御神木と末社
随神門前、昭和天皇の御大典記念に奉納された構え獅子
狛犬の拡大写真はこちらで
(昭和3年(1928)3月吉日建立)
随神門
境内の様子
拝殿前、文政10年生まれの出雲丹後狛犬
狛犬の拡大写真はこちらで
(文政10年(1827)9月吉祥日建立)
この地域としては珍しい入母屋造りの拝殿
三間社流造の本殿
文政6年(1823)に前本殿の部材を用いて建て替えられたと考えられています。
本殿木鼻・狛犬と象
境内社・御霊の宮
境内社 入口と社殿