賀茂神社

倉吉市葵町586(平成21年7月29日)

東経133度49分47.52秒、北緯35度25分34.2秒に鎮座。

 この神社は倉吉市街地の南西部の寺社の多い地域の東側、市営陸上競技場の北に鎮座しています。倉吉の初詣の定番スポットで、毎年初詣で3万5千人以上の参拝者が訪れ、鳥取県内での初詣人気第3位!という大きな神社です。
 偏見かもしれませんが、大きな神社はミーハーで浮ついた感じの所が多いのですが、この社は広大な市保存林の森が素晴らしく、神社全体を包み込むように形成され厳かな雰囲気が助長されていますが、その中では蛍も生育しているようです。こんなに市街地に近いところで蛍の鑑賞が出来るなんて倉吉市民は幸せだな〜…なんて、無味乾燥な東京の中心地に住んでいる私は羨ましく思ってしまいました。
 神社の入口には由緒の書かれた珍しい社号標がたち、参道右側の小川の畔の蛍生育地には「ほたるの里」石碑がありました。神橋を渡ると、石段参道の途中に大きな鳥居が建ち、右側にはこの井戸のほとりにあった夕顔の蔦を伝い、天女が天に帰ったと伝わる「夕顔の井戸」もあります。
 石段を登り切ると、境内入口に随神門が建立され、市保存林の森に取り囲まれ清々しい雰囲気の境内中央奥には、出雲大社式の太い注連縄が架かった唐破風付きの大きな拝殿、その奥の玉垣内に妻入りの豪華な本殿が建立され、本殿縁には建立年代不明の笏谷狛犬も置かれています。
 社殿左右には各町内から遷座された天満宮が三社、大事に祀られており、境内入口右側には「雷神が降臨した」と案内があるもみの木が3m位の樹幹を残して立っています。
 又、ここの絵馬は和紙や折り紙の流し雛を貼り付けた物で、可愛くて個性的で、微笑ましい物ばかりでした。

 御祭神:賀茂別雷神
 祭礼日:10月11日
 境内社:稲荷神社、西仲町天満宮、東仲町天満宮、魚町天満宮
 由緒:往古、山城国上賀茂神社の祭神を勧請したと伝えられ、貞観9(876)年に記された「三代実録」に記されるなど歴史のある古社です。
 天文年間(1532〜1555)尼子晴久が再興、享保4年(1719)宗源宣旨により神階正一位を授かっています。
 明治維新の際、賀茂皇大神宮から現社名に改称され、郷社となりました。

社頭
由緒の書かれた珍しい社号標 参道右「ほたるの里」石碑と生育地
入口にいる昭和36年生まれの出雲丹後狛犬
狛犬の拡大写真はこちらで
(昭和36年(1961)12月吉日建立)
神橋と参道の様子
参道右側にある「夕顔の井戸」
「清先の井戸」ともいい、昔、この井戸のほとりにあった夕顔の蔦を伝い、天女が天に帰ったと伝わります。
参道途中の鳥居 手水舎
市保存林の森の中を貫く、石段参道の様子
参道左側に祀られる境内社:稲荷神社
石段参道と境内入口
境内入口に建つ随神門
境内の様子
唐破風の付いた拝殿
拝殿に架かる出雲大社式の太い注連縄
左が本、右が末で、大きな〆の子が付き、左綯いです。
妻入りの豪華な本殿
本殿正面扉脇の彫刻
「獅子の谷落とし」が精緻な表現で彫られています。
本殿縁にいる建立年代不明の笏谷狛犬
撮影時には気がつきませんでしたが、双方吽で、作者も年代も異なる物を組み合わせているようです。鬣や尾の形から見ると、左の物の方がずっと年代が古く、造りも丁寧で良くできています。
狛犬の拡大写真はこちらで
境内社;西仲町天満宮
境内社;東仲町天満宮
境内社;魚町天満宮
雷神・降臨のもみの木
祈願者の創意工夫が見られる楽しい絵馬
参道途中や境内に見られる御神木