甘露(かんろ)神社

岩美郡岩美町陸上57 (令和2年9月21日)

東経134度21分47.72秒、北緯35度35分42.92秒に鎮座。

この神社は、JR山陰本線・東浜駅の西南西200m程の辺り、陸上の街外れに鎮座しております。

御祭神 大山祇命・啼澤女命

由緒
延喜式所載の小社なり、因幡誌に「中島村の生土~なり延喜式神名帳載る所甘露神社これなり、海濱の山下松林中に在る氏~藏王権現と二~同社に鎮祭せり 山の方蔵王権現海の方甘露神社 社傳に曰祭~啼澤女命也甘露~と號するは~廟當初甘露谷 東陸上にありて仁壽2年甘露、谷に降る故事なり にありし故に此號あり中古戦亂の時海賊來り侵して民家を放火す村民離散して~事を執行するに便なく爰に~立を此里に鎮座なせり陸上東西本一邑なるの故なり今舊地に座さずと雖も~源明らけく~號猶存す疑ふべからず蔵王社祭~大山祇命也二~両村の氏~とす」と見え又文徳實録巻四及び社傳に據れば仁壽2年5月因幡始め9ケ國に甘露降ると奏す帝不豫なり即ち使を9ケ國に派して甘露を索めしむ使者當社に至り其山頂隈岩の傍にて滾々として出づる甘露を発見し持ち帰りて帝に献せしに病忽ち癒え給ふ依て此の社號を賜ふとありて鎭座の概要並に社名をなすに至りし緑由を窺ふに足るべし永享3年陸上村寺谷次右衛門中島三郎右衛門本殿を修理す。
鳥取県神社誌 より。

珍しい暖地性シダの宝庫
延喜式内社甘露神社の社叢は、珍しい暖地性シダの宝庫で、樹林は過去において伐採などが行われたらしく、本来この辺りで見られる常緑樹の他にいろいろな落葉樹が見られる。
参道入り口付近には、アカマツ、ケヤキ、タブノキなどが、社殿南側には、スダジイ、ヤブニッケイ、サカキなどが見られる。また、草本層には、特徴的なものとして、オオカニコウモリが生息しており、その他にもスミレサイシン、コミヤマミズなど、多種の植物が見られる。
シダ植物も多く、参道入り口付近の岩や樹幹にはマメズタが着生しており、参道西側の崖には、コモチシダ、オニヤブソテツなどが観察でき、樹林下には、オニ力ナワラビ、ハイホラゴケなどが見られる。晋通、暖地性のこのようなシダ類の群生地は、県内では数少なく貴重なものである。
境内説明書き より。

東浜駅の西300m程、線路脇の参道入口。社号標は「式内甘露神社」。

参道。踏切では無くそのまま線路を横断します。

鳥居

注連柱

参道

境内入口

境内入口の狛犬。拡大写真はこちら。

(年代不明)

台座陰の狛犬。拡大写真はこちら。

(年代不明)

拝殿

拝殿内部