上元郷春日神社

西多摩郡檜原村上元郷(平成16年3月14日)

 地元の方々がお掃除に来ていらっしゃいました。ガラス越しに見えた本殿の彫刻が見事でした。
 この神社には「御とう神事」と呼ばれる珍しい神事がありますので紹介致します。
御とう神事(おとうしんじ)は、毎年3月1日から2日にかけての深夜に行われます。原則として氏子区域である本宿・上元郷の2つの地区から選出された当番が、一定期間の精進潔斎の上で南秋川に入り身を潔め、特定の場所で火打石により火を起こし、浄水で米を炊き、その炊いた飯を木椀に大高盛りにして神饌として神前に献ずる神事です。そして3月2日の朝、両地区の氏子が神社に集まり、お神酒を頂き、神饌と同様に炊いた白米飯と「シラヤ」と「ヒバッチル」と呼ぶ料理で共同飲食をする行事がこれに付随しています。
 御とう神事を記録した御とう帳には元亀3年(1572年)以来の記載があり、中世後期にはすでに行われていたようです。
 この神事の指揮や重要な役割は一定の家の者に固定されていて、その任務は世襲によって伝えられており、宮座的な色彩を強く感じさせます。
(檜原村のホームページより)

拝殿

本殿の床下の部分の木鼻と彫刻。こういう所まで丹念に彫ってあるのは珍しい