八幡神社

品川区戸越2−6−23(平成19年3月18日)

 この神社は都営浅草線・戸越駅の東約350m、庶民的な商店街の中に鎮座しています。にも関わらず、参道は頭の上を覆うような木々が立ち並び、社殿は第二次大戦の戦火も免れた安政2年に建立された歴史の重みを感ずる素晴らしい物で、気持ちの良い参拝が出来ました。又此処には狛犬としては珍しく文化財に指定されている品川で最も古い延享3年の江戸中狛犬や、鶴見の名工・飯嶋吉六の狛犬が居ました。

 御祭神:誉田別命
 例祭日:9月第2土・日曜日
 境内社:春日社(天兒屋根命)、稲荷社(豊受姫命)
 由緒:大永6年(1526)村内の藪清水の池の中から行永法師が御神体の神像を発見して草庵に奉安し、京都石清水八幡宮より御分霊を勧請して共に奉斉したのが創祀といわれています。文録元年(1592)隣接する別当寺・行慶寺の開山念誉上人が八幡宮を建立、元禄元年(1688)に現在地に遷座され、今に至ります。明治5年には社寺分離令により、行慶寺別当を廃止し、神社として独立しました。現神殿は安政2年(1855)の建立で戦火にも免れ、都内でも最も古い神社建設を今に伝えています。

社号標「村社 八幡神社」 神社入口
気持ちの良い参道の様子
鶴見で名高い名石工・飯嶋吉六さんの江戸流れです。
ふくよかな顔と滑らかな毛の流れが、名人の腕の冴えを見せています。
子狛が可愛いですね。   狛犬の拡大写真はこちらで
(石工・鶴見 飯嶋吉六 明治6年11月再建)
拝殿 本殿
拝殿の挙鼻・鳳凰と龍
拝殿の木鼻・龍
生き生きとして今にも動き出しそうな龍ですね。
社殿脇の木鼻・狛犬。端正なお顔の狛犬です。
狛犬の案内があることや、有形文化財指定、という肩書き付きの貴重な狛犬です。
阿は宝珠を、吽は髷のような角を付けています。
この時期の狛犬の特徴を持っていますが、何処か洗練された感じがします。
身体の瘤も残り、良い保存状態です。    
狛犬の拡大写真はこちらで
(延享3年(1746)建立)
境内社・稲荷神社
社殿と、中に居並ぶお狐様
神楽殿 「戸越の地名の起こり」の碑
江戸を越える(トゴエ)が変化して
戸越(トゴシ)となったようです。
力石 社殿前の灯籠
灯籠に遊ぶ狛犬二態