八幡神社

徳島市八万町宮ノ谷(平成19年3月28日)

 この神社は徳島市街地から国道438号線で南西に向かっていき、園瀬川の手前から山側に向かうと、長久寺奥に鎮座しています。山の中腹に広大な社地があり、たくさんの灯籠が建ち並ぶ長い参道と長い階段を上がると、深い杜の中に絵馬堂や随神門、神仏習合の名残と思われる立派な鐘楼、沢山の奉納者名が書かれた石碑が建ち、最奥に昭和42年に改修された社殿が見えてきます。江戸時代には藩主・蜂須賀公の崇敬も篤かったようですが、今でもその氏子さんの多さにはビックリしました。

 御祭神:誉田別大神、大己貴大神他
 祭礼日:4月15日・春祭(大御神楽)、7月15日・夏祭(夏越大祓)、11月3日・秋祭(神輿氏子内巡幸)、12月14日・春祭(新穀感謝祭 大祓)
 境内社:天神社
 由緒:旧郷社で、鎮座は慶長9年(1604)に社殿を建立したと伝えられます。銅鳥居八幡神社として近郷に名高い。江戸時代までは長久寺がこの社の別当寺を勤めていましたが、明治初年にそれぞれ独立しました。

神社入口と胴製の両部鳥居
慶長9年(1604)、
蜂須賀至鎮公が寄進したもので、
鳥居に銅版が巻かれていることから、
「胴の鳥居神社」と呼ばれています。
参道は階段となります
明治31年生まれの出雲構え獅子。
本場出雲から持ってこられた狛犬ですから、そろそろ船による
運搬がかげりを見せてきた、そんな時期にやってきました。
それでも107年もの間、この地で健気に社を守り続ける律儀な狛犬です。
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(明治31年(1898)9月吉日建立)
何方がお作りになったのか、昭和13年生まれには見えない、気品に満ちた狛犬です。
精悍で端正な顔、やや鳩胸気味の締まった力強いからだ、太くて真っ直ぐに立っている尾、
整った狛犬が余り好きでない私にも、この狛犬の良さは分かります。 
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(昭和13年10月建立)
随神門 まだまだ参道は続きます
明和7年(1770)生まれの狛犬です。
徳島では古い狛犬に入りますが、愛嬌のある中にも眼光鋭く威圧感があります。
先の地震で落ちたのでしょうか?あちこちに補修の跡や欠けた部分がありますが、
此処徳島に来て感心したことは、その補修をとても自然な形で行っているため、
その欠陥を殆ど感じさせない…ということです。
徳島人の狛犬に対する愛情が感じられて、とても良い気分になりました。
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(明和7年(1770)8月吉日建立)
拝殿 拝殿内の様子
境内から長かった参道を振り返る