吉野神社

海部郡美波町山河内なか172(平成19年3月29日)

 この神社はJR牟岐線・山河内駅の北150m、地図上では国道55号線・山河内トンネル手前に鎮座しているように見えますが、実際は55号線の上に高架橋が架かっていてそこが参道になっていました。55号線を走っていて鳥居が見えたので慌てて道路脇に車を止め、写真の階段を上がっての参拝となりました。山を背景とした鎮守の杜は深く、この時期丁度境内脇の桜の花が満開となっていて、夕刻でもあり、新緑の中のうす紅色の桜は幽幻そのものでした。社地はお寺の塀によく見られるような白塀で、そのすぐ奥に拝殿本殿が建立されています。境内右側の杜の中からは、境内の岩の間を這うように流れる清流が、静かな水音をたてていました。決して大きな神社ではありませんが、神域に相応しい雰囲気を充分持っている素敵な神社でした。
 この社の案内はなく創建その他全てが不明ですが、この地方には、この社の他に同名社が、那賀町に2社、美波町に1社、由岐町に1社鎮座しています。中でも由岐町志和岐にある「吉野神社」は大己貴命(大国主命)、安閑天皇、同皇后をお祀りしており、徳島県内唯一の安産の神様だそうです。

国道55号線からの登り口 神社入口
文政2年(1819)生まれの狛犬です。
爪の上に草鞋の紐のような長い毛が二筋生えています。
吽には角があり、扁平な顔は、達磨落としか、
トーテンポールの最上部のような感じです。
顎髭や鬣の模様も三角の布を貼り付けたようで、
ねじりパンの尾や肉厚の太股が変わっています。
(文政2年(1819)建立)
拝殿 拝殿内の様子
流れ造りの本殿 境内の岩の間を流れる清流
社日 境内左の満開の桜