海正八幡神社

阿南市橘町(平成19年3月29日)

 この神社は橘港中浦緑地と運河を挟んだ地に鎮座していますが、地図に記載がありません。社地左手は運河で、沢山の船が停泊しており、境内を歩くと磯の香りがしていました。一段高い社殿の建つ境内は、大木に囲まれた鎮守の杜の中にあり、海正八幡神社と橘神社が並び建つ様は、どちらが主殿か分からないほど立派なものでした。

海正八幡神社
 御祭神:誉田別命、仲哀天皇、神功皇后、武内宿禰他
 例祭日:10月1〜3日
 由緒:創建は万寿元年(1024)清和源氏新羅三郎義光の祖が崇敬し祀り始め、文永6年(1269)折原刑部丞実成が再興したと記されています。
 もと内原村鎮ヶ峰に祀られていましたが、橘浦村江ノ浦へ遷され、その後この地へ遷宮されました。

橘神社
 御祭神:素盞嗚命、弟橘姫命、外五十余柱
 例祭日:10月27・28日
 由緒:明治末年、時の政令により、町内の小社、小祠を改築(金刀比羅神社社殿を移築)した秋葉神社に合祀し、橘神社と改称しました。

 海正八幡神社の例祭・秋祭りは10月1日から3日間、盛大な二つのイベントが中心となって執り行われます。特に一日目には早朝から伝統行事となっている大名行列の「宿振り」が行われます。「宿振り」とは、江戸時代、大名が参勤交代で江戸に向かう際、道中で家来たちが奴姿になって、宿場、宿場で毛槍を振って大名行列をしたのが始まりといわれています。
 又、県内で唯一の「けんかだんじり」は、江戸時代より船の安全や大漁を祈願してきた秋祭りで、御輿渡御の後、夜に4台の地車が神賑いとして旧街中に繰り出し、激しくぶつけ合って強さを競うものです。昔は、いくつもの提灯をぶら下げた「やんだし」という竹が触った触らなかったで、けんかをしたことから、別名を「けんかだんじり」といわれ、昭和に入ってから祭りで人間同士がけんかをしないようだんじりに代わりをさせたのが始まりだといわれています。

神社入口 境内への階段の参道
寛政9年(1797)生まれの狛犬。
お数珠のような眉毛で目の周囲にきっちりと縁取りがされ、
平歯の歯並びが綺麗で目立ちます。
顎髭は大きな巻き貝が連なったようでえ、
前方からはネックレスをしているように見えます。
個性的なはっきりした顔立ちの狛犬です。    
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(寛政9年(1797)8月吉日建立)
拝殿 拝殿内の様子
本殿 境内の様子
橘神社入口

拝殿 拝殿内の様子
奥に本殿
文久2年(1862)生まれの出雲丹後狛犬。とても良い保存状態です。
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(文久2年(1862)3月建立)
嘉永6年(1853)生まれの浪花狛犬。
吽には角があり、獅子頭のような顔つきの逞しい狛犬です。
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(嘉永6年(1853)6月建立)
社日 磐座
ご神木 境内社・龍王神社
亀の像