鷲宮神社

栃木市都賀町家中 (平成18年3月22日)

【狛見倶楽部 佐野支部 クマちゃん通信員より】
 この神社は、小山都賀線から少し入った家中地区にあります。三和コンクリートという会社の近くです。手水舎の鶏の水口が目立ちました。昭和18年と年代不明の狛犬さんが迎えてくれます。年代不明は、大分傷んでいました。それと、弘化4年の石灯籠があり、上に鶏が乗っています。初めてみました。本殿にも鶏の彫刻がありました。
 昨年、新聞でこの神社のことを知りました。最近始まった「強卵式」と云う神事、一度見てみたいものです。
 
 この神社は東武日光線・家中駅の東約2kmに鎮座しています。
 鷲宮神社という社名なのに、境内にはお手水や灯籠、社殿などに鶏の彫刻が見られ「どうしてかしら?」と思っていたら、鎌倉幕府2代将軍、源頼家公が幼少の折、今の「百日ぜき」に罹り、心配した母北条政子がこの神社に鶏肉と卵を断って病が治る様に祈願をし、頼家が回復すると御礼参りの使者として佐々木四郎高綱を社参させたといわれています。そしてその時から、百日ぜきを「とりせき」という方言が生まれたとされ、この鷲宮神社より発した方言が通じる地方は、信仰者のいる地域だとも伝えられているそうです。そして、この故事をより広く氏子さん達に知って貰いたいが為、上記の「強卵式」と云う神事を始められたようです
 創建は大同3年(808)で、最初は思川の傍にありましたが、再三の洪水の為、朱雀天皇承平元年(931)現在地に遷宮したとされています。御祭神は阿波(徳島県)忌部氏の祖先神で、楮(こうぞ)、麻を植えて製紙、紡績の業を興し、天の磐戸開きに大きな功績をあげられた神様・天日鷲命と、大国主命の別名である大己貴命をお祀りしています。例祭としては歳旦祭(1月1日)、新年祈祷(1月1日〜5日迄随時)、祈年祭(春祭り)(4月13日)、八坂祭(夏祭り)(旧6月21日)、例大祭(酉の市)(11月23日)、新嘗祭(秋祭り)(11月24日)が執り行われています。(鷲宮神社HPより)

社号案内 神社入り口
境内の様子 手水舎と鶏の水口
昭和18年生まれの堂々とした体格の狛犬。
力強い筋肉の盛り上がりが見られます。
この時期の狛犬としてはそれほど強面でなく、威厳のある中にも優しさと親しみが感じられます。
(昭和18年建立)
年代不明だそうですが、石の材質のせいか、落ちて欠けてしまったのか、
建立当時から比べるとかなり痩せてしまったのではないでしょうか。
後ろ姿は未だかなり綺麗で、鬣や尾の編み目などに工夫の跡が見られます。
上に鶏が乗っている弘化4年(1847)建立の石灯籠。
私も鶏の彫刻付きの灯籠は始めて見たように思います。
神楽殿 拝殿
拝殿の扁額 拝殿内の様子
流造の流麗な本殿 本殿縁下の鶏の彫刻
境内の摂社数社 境内社・稲荷社
境内社・稲荷社の神狐。耳や口が欠けています。阿は珍しく授乳しています。

神事「強卵式」紹介の新聞記事