三宮神社

栃木市都賀町富張1378 (平成20年3月29日)

東経139度43分37.03秒、北緯36度26分40.73秒に鎮座。

【狛見倶楽部 佐野支部 クマちゃん通信員より】
 神社は、国道293号線を鹿沼方面に向かい、東北道の下をくぐってすぐ右折した、富張地区にあります。大正6年の狛犬が迎えてくれます。
 それと天水桶のところにも狛犬がいました。先代の水盤(安政2年)も大切に保存されています。鳥居は、寛文13年、けっこう古いものでした。
 神社近くの長福寺には、シダレザクラがあります。満開には、まだ少し間が有る状況でした。寺には水仙や芍薬など、いろいろな花が植えてあり、訪れた人をなごませてくれます。

 御祭神:磐裂命、根裂命、経津主命
 例祭日:春の小祭(愛宕神社)・4月、夏祭り・天王祭(八坂神社)・7月、秋季大祭・10月
 末社:八坂神社、菅原神社、豊受神社、豊年神社
 由緒:境内「由来碑」、「都賀町のパンフレット」によると
 後冷泉天皇の天喜5年(1057)源義家が宇都宮明神を祀ったとされ、その後、この地の領主となった武藤康隆は観応2年(1351)足利尊氏と直義兄弟の争いの時尊氏側に付き、上州における直義側との戦いに苦戦していましたが、その折、三宮大明神に札を掛け神に誓って戦い、その後の戦いには勝利が多くなりました。康隆は帰陣後三宮大明神に幣を捧げましたが、その夜の夢に三宮大明神が顕れ、「神楽岡の楠の大木に神幣を建てなさい。」とお告げがあったので、楠の木の根元に祠を建て、神幣をうつし、三宮大明神を勧請しました。
 三宮大明神とは、神道の唯一の三元である日・月・星を神として祀る霊験あらたかな神体の事です。
 その後は村の総鎮守となり、神楽岡・山崎の地に遷座しました。宝永5年(1708)正一位を授与されました。
 愛宕神社、厳島神社が合祀されています。

「三宮神社由来」碑はこちらで

神社入口
鳥居に架かる社額 参道に建つ寛文13年(1673)
9月吉日建立の鳥居
境内にいる大正6年生まれの江戸流狛犬
横に大きく広がった口とふくよかな頬が目立ちますが、顔全体の感じは整った美形の狛犬さんです。前足は太く逞しく、尾の付け根が分厚く大きめです。背骨の隆起が見られる、重量感のある狛犬です。
狛犬の拡大写真はこちらで
(大正6年(1917)建立)
天水桶の台座に間借りをしているような可愛い狛犬
こんな所に狛犬がいるのは始めてみましたが、この子達は始めからここに居たのでしょうか? それとも補修の跡がありますから、どこか他の所から移動してきたのでしょうか? もし一緒に造られたのだとしたら、天水桶の台座には紀元2600年とありますから、昭和15年の建立という事になります。小さな狛犬ですが、良い面構えをしていて、小さいなりに逞しい体つきをしています。
拝殿
拝殿に架かるカラフルな社額
龍かタツノオトシゴのような
神獣が面白いですね。

拝殿内の様子と本殿正面 本殿覆い屋
末社:左から
豊年神社、豊受神社、菅原神社
安政2年(1855)建立の先代水盤
長福寺のシダレザクラと水仙