栃木市藤岡町赤麻 (平成18年1月4日)
東経139度40分34.1秒、北緯36度15分34.9秒に鎮座。
【狛見倶楽部 佐野支部 クマちゃん通信員より】
この神社は、藤岡乙女線を乙女方面に向かい、赤麻郵便局を右折した赤麻地区南端にあります。ここには、三対の狛犬さんが居ました。神社西入口に昭和26年、拝殿前に昭和11年、本殿前は、江戸時代(文化と書いてあるような気もしますが、はっきりしません)らしいです。この狛犬の保存状態がかなりいいと思いました。本殿は、残念ながら全く見えなかったです。拝殿の西側には奉額堂があり、たくさんの奉納額が保管されています。
この神社は藤岡乙女線と渡良瀬遊水池の間に鎮座しています。
やはり案内が無く、御祭神は応神天皇ですが、創建由緒は不明です。
この神社の鎮座している赤麻地区は、明治期までは赤麻沼という綺麗な沼地だったそうです。ところが、田中正造で有名な渡良瀬川上流・足尾銅山からの鉱毒被害地・谷中村に属していた為全村廃村の憂き目にあいました。政府によりこの一帯は鉱毒を沈殿させ、洪水を防ぐための遊水池とされてしまったのです。そして住民の反対にもかかわらずこの計画は強制的に実行され、渡良瀬遊水池が完成してしまったという因縁の地です。現在では自然の宝庫となった渡良瀬遊水池ですが、過去にはこんな悲しい経緯があり、苦しんだ人々がいたことを、決して忘れてはいけないのだと肝に銘じておきましょう。
正面参道入口と奥に拝殿
神社西入口
とても昭和26年生まれには見えない程良くできている江戸狛犬。この感じはどう見ても江戸末期か明治、どんなに新しくても大正時代の作としか思えません。この頃までこんなに腕の良い石工さんがいらしたなんて奇跡です。 | |
(昭和26年(1951)建立) |
この子達も然り。この姿、尻尾はもっと古い時代の物に見えます。少し彫りが甘い感じがしますが、それでもなかなかの物です。随分ネコ科の動物に近い感じがします。 | |
(昭和11年(1936)建立) |
拝殿の額
本殿覆い屋
小顔でたっぷりとした体つきの江戸尾立狛犬です。屋根の下にいるせいか、鬣や尻尾の線、身体の瘤などが未だ綺麗に残り、とても良い保存状態です。透かし塀の中なのでこの角度の物しか見られないのが残念です。 | |
(文化?(1804〜1817)建立) |
絵馬殿と沢山の奉納絵馬。随分古い絵馬もありそうです。私は絵馬収集が趣味で、神社で良く戴いてくるのですが、現代風の小さな願掛け絵馬ではなく、昔はこういうものが主流だったのでしょうね。 | |
板碑