藤岡神社

栃木市藤岡町藤岡 (平成17年10月11日)

東経139度38分25.3秒、北緯36度14分49.46秒に鎮座。

【狛見倶楽部 佐野支部 クマちゃん通信員より】
神社入り口にあるケヤキは、「とちぎ名木百選」に選ばれました。推定樹齢400年といわれています。少し元気がないように思いました。そのケヤキの根元で、寛政十年の狛犬が迎えてくれました。二番目は、ちょっと変わっていました。古いものかと思いましたが、後ろに回ってみると昭和55年です。それから大正13年と平成9年がほぼ一緒に。これでお終いかと思っていたら、本殿の後ろ、「常宝殿」の前に、昭和56年がいました。これだけたくさん居ると、まだ神社に馴染んでいないような狛犬も見受けられます。

この神社の鎮座する地域は栃木県内屈指の遺跡で,縄文時代の竪穴住居・土壙・埋甕・遺物包含層などが発見され、大昔から大規模な集落があったことを物語っています。なかでも、栃木県立博物館に保存・陳列されている土偶、牛の埴輪は、昔、考古学大好き少女だった私にとっては垂涎の的の存在です。
この神社は天慶3年(940)六所神社として創建され、正徳2年(1712)吉田家より正一位の神位の許可があり、文正4年(1821)紫岡神社と改めました。その後、明治8年、藤岡神社と改称、昭和56年1月、富士山本宮浅間神社・秋葉山本宮秋葉神社・伏見稲荷大社・諏訪大社・出雲大社・日光東照宮の各総本社の承認を得て常宝殿に奉祭しました。主祭神は天照大御神、配祭神は別天津神他の神々が祀られています。

神社入り口

神社入口のケヤキの大木を背に笑顔で迎えてくれる寛政生まれの狛犬。どことなく風格を漂わせています。もう207年も経つのに身体の模様も消えず損傷もなく、とても保存状態の良い狛犬です。安定感のある良い狛犬です。拡大写真はこちら。
(寛政10年(1798)5月吉日建立)

見たとたん笑ってしまうブーちゃん狛犬。大正10年という年にどうしてこんなハジメタイプが彫られたのか不思議です。何が嬉しいのか分かりませんが大笑いしている阿。吽はとぼけたような、あるいは澄ましたような顔でお出迎え。奉納された方、石工さん、神社関係者の全てが納得しないと狛犬の奉納はあり得ませんから、皆さん方きっとユーモアたっぷりな方がお揃いだったのでしょう・・・・。拡大写真はこちら。

(大正10年(1921)1月建立 台座昭和55年取り替え)

狛犬と本殿

拝殿前の狛犬2対。手前は優しく人懐っこい顔をしている大正13年生まれの狛犬。江戸流れの容姿の整った狛犬です。この時代まで栃木にも良い石工さんが居たのですね。奥は平成9年に奉納されたしょうわ狛犬。

(手前・大正13年と奥・平成9年建立)

本殿と常宝殿

見事!!というしかない彫刻が施されている本殿