栃木といえば日光東照宮をその筆頭に上げる人が大半だろう。だがこの歳になると混雑の中に身を置いているだけで疲れる。又、こんな所で改めて紹介する必要など全くないと思われる。ここではあまり知られていない隠れた神社を紹介しましょう
栃木市内の神明宮。明治6年、栃木,宇都宮が合併して栃木県になる以前、ここ栃木市が県庁所在地であった。その「とちぎ」の由来が、この神明社の屋根ぐしの10の千木「とうちぎ」ではないかとの説がある。
その他、栃木市内を流れる巴波川(うずま)川には、昔、河原や湿地があり、栃の木が多く茂っていた。住民はこの栃の実を食料とし、採取にでかける時に「とちのき」に行くといっていた。これが自然に地名になったという説。確かに市内の街路樹には栃の木が多いが、県の木ということで、以前の公孫樹並木をわざわざ栃の木に変えたようだ。以前栃木市内のホテルに泊まった時ホテルの人に「栃の木は大きな実が成るので後が大変ではないですか?」と言ったら「そうなんですよ、車にはじかれた実が飛んできたり、ふんずけて転びそうになったり、大変です。以前のいちょう並木の方よっぽど良かったです」とまるで栃の木に恨みでもあるかのようにおっしゃておりました。したがってこの説はおかしいと思う。
ついでにもう一つ。「崩壊地名」説巴波川に浸食された崩壊地名を表す「ちぎる」に接頭語「と」をつけたもの。しかし侵食されたと言った縁起の悪そうな名前を普通付けるだろうか。もっとも怪しい説か。
現在県庁所在地は宇都宮市だが、県名は栃木なのは合併時の混乱が原因のようです。
合併時、元々栃木にあった県庁を明治17年に宇都宮へ移転した際に、それに連動して県名を変更することをしなかったわけです。
原則に従って県名も変更するという考えもあったようで、「宇都宮県」と名乗った公文書まで出ているらしいのですが、結局中央政府から「県庁を移転するだけで県名は変更しない」という通達が出て、とりあえず騒ぎは落ち着いたようです。一方に名を取らせ、他方に実を取らせるという配慮だったのかもしれません。