加茂神社

塩谷郡高根沢町桑窪(平成18年4月9日)

【狛見倶楽部 佐野支部 クマちゃん通信員より】
 この神社は、杉山石末線を杉山方面に向かい、那須烏山市との境界付近、桑窪地区にあります。狛犬さんは居ませんでした。毎年3月に「梵天まつり」が行われています。境内に今年使われたと思われる「梵天」が置かれていま
した。
 神社の近くには、とちぎ名木百選「西山辰街道の大桜」(那須烏山市八ヶ代)があります。目通り 5、5メートル 推定樹齢900年の巨木です。咲いていると思ったのですが、まだでした。

 案内によると、通称を雷神社と呼び親しまれ、主祭神は別雷神ですが、創建は不明です。
 ここでは「五穀豊穣」祈願の春の例祭が梵天(ぼんてん)祭として親しまれています。毎年3月の第2日曜日に執り行われており、桑窪4地区の和田、新田、宿、西が各梵天を担ぎ練り歩き、神社に奉納しています。因みに上河内町の羽黒山神社では、収穫に感謝する「秋祭り梵天」が執り行われています。「梵天祭」は、雷を招き雨を呼ぶ祭りだと言われており、90年以上続く伝統行事で、町の無形民俗文化財に指定されています。梵天は孟宗竹を2本つなぎ、先に赤や白の和紙の御幣を付けた竿のことで、梵天を担ぐ若衆は、集落ごとにそろいの法被を着て、顔に滑稽な化粧をします。4つの集落から集まってきた梵天の行列は、神社の石段を一気に駆け上がり、拝殿に勢いよく梵天を突き刺し、この梵天から落ちた御幣を拾って持ち帰ると魔除けになるそうです。
 「梵天」とは、古代インドで世界の創造主、宇宙の根源とされたブラフマンを神格化したもので、仏教に取り入れられて仏法護持の神となりました。その後中国の陰陽道の影響も受け、五穀豊穣祈願として、神に捧げられるようになりますが、この時、神の依代(よりしろ)を示す物として長い竹や棒の先に、厚い和紙や白布を取り付けた大形の御幣が形作られていったものと考えられます。

梵天公園案内 神社入口
参道と境内の様子 拝殿
本殿覆い屋 本殿
是が祭礼が終わった後の梵天の姿です 境内社
推定樹齢900年の西山辰街道の大桜。4月9日現在、まだ咲いてはいないようです。