稲荷大明神

下都賀郡壬生町本丸2 (平成19年3月2日)

【狛見倶楽部 佐野支部 クマちゃん通信員より】
 神社は、宇都宮栃木線を宇都宮方面に向かい、右に少し入った本丸地区にあります。隣が豊栖院というお寺です。ちょっと変ったタイプの狛犬が迎えてくれました。天明元年生まれです。願主は、近くにある雄琴神社の鳥居も奉納している壬生の豪商、加藤作太夫です。本殿前には、狐さんが居ます。最初、台座に嘉永3年と書かれていたので、江戸期のものかと思いました。しかし、反対側の狐さんに、明治32年と書かれていました。

 狛犬や本殿前のお狐様の奉納数の多さを見ると、かなり由緒がある、人々の崇敬の篤い稲荷社と思われますが、創建・由緒などは不明です。

神社入口 境内入口と靖国鳥居
天明元年(1781)生まれの、阿は宝珠を付けた逆さ、吽は角付きの構え狛犬。
この組み合わせは獅子山と金沢でよく見られますが、獅子山は江戸時代晩期から、
金沢の加賀逆立ち狛犬は明治時代から造られはじめましたから、此方の方が早いですね。
私達が今までに見た江戸時代の逆さ構え狛犬は1対だけで、
佐賀県三養基郡北茂安町・武雄神社に奉納されていた物で、
寛政12年(1800)生まれでした。此処の狛犬はそれよりも19年も早く造られていたことになります。
この時期の狛犬としては造りが斬新で、凄い独創力のある石工さんですね。
狛犬の拡大写真はこちらで
(石工・津田三次郎 天明元年(1781)5月吉祥日建立)
拝殿 拝殿正面の沢山の絵馬
本殿覆い屋 本殿正面
明治32年生まれの本殿階段下にいる優雅なお狐様
台座にも彫刻があり、関東のお狐様としては優しげな良いお顔をしてます。
お姿も身体の線が滑らかで、阿は子供を、吽は宝珠の様な球体を持っています。
本殿前では沢山のお狐様が集会を開いているようです。今日の議題は何でしょう?
末社二社