鷲宮神社

佐野市犬伏上町(平成17年6月25日)

此処は佐野駅の北東約1.7km、新興住宅地の奥の犬伏地区の里山の麓に鎮座する郷社です。この鷲宮神社は栃木県下都賀郡都賀町の鷲宮神社から勧進し、御祭神の天日鷲命は、阿波(徳島県)忌部氏の遠い祖先で、日本武尊の東征に共して三浦半島を経て船で安房国(千葉県)に来航し、利根川を上り東国を開発したと伝えられており、製紙、紡績の業を広めたとされています。また犬伏という地名の起こりは、『昔、この里では山の上の八幡宮に毎年若い娘を人身御供に捧げる風習がありました。ある年、旅の山伏がこの話を聞き付け、どこからか大きな犬を借りてきました。娘の代わりにこの犬を籠に入れて八幡宮に置いてくると、夜半に大きなうなり声と争う音が山の上から聞こえてきました。朝になって村人が見に行くと、大ヒヒと犬が死んでいました。人身御供を取っていたヒヒを退治したこの犬にちなんで、この地を犬伏と呼ぶようになった』という伝説が残されているそうです。(狼神話HPより)住宅地と山の間にあるこの神社は深い杜に守られ、静かで神々しい雰囲気があり、如何にも神域、と感じさせる気配がしました。此処には江戸期に製作された狛犬が二対もいてこの日の狛犬行脚の最大の収穫となりました。

(天命大町 細工人 石屋・新蔵  天保10年(1839)6月吉日建立)

(元禄16年(1703)11月吉日建立)

神社遠景

豊かな社叢と境内入り口

境内入り口

神楽殿

拝殿

本殿覆い屋

少し太めの能面の翁を思い起こさせる顔立ちの江戸期の狛犬

犬伏町の由来となった犬を祀っていると思われる境内社

立ち姿で異形な顔つきの狛犬。背中に製作年代が彫ってあり、雨ざらし、地面からの泥はねなどの悪環境の中、よくここまで消えずにいたものと思います。ミロのビーナスと同じで腕のつき方が想像を掻き立てます。

ご神木

境内社二社

合祀社三社

狛犬の拡大写真はこちらで