宇都宮神社

佐野市作原町(平成17年9月26日)

【狛見倶楽部 佐野支部 クマちゃん通信員より】
この辺りは、1954年田沼町に合併する前は、野上村でした。狛犬は、昭和6年に電力会社と元小学校の校長さんが奉納しています。「電燈」という文字に、久し振りにお目にかかりました。拝殿の柱にある木鼻というのでしょうか? これも狛犬なのでしょうか?

この神社は佐野市街地から16号線、56号線、201号線と北上していき、作原町の作原と岡庭のバス停の中間、左側に鎮座しています。このもっと奥には蓬莱山、三滝など自然豊かな景勝地があるようで、そのうち是非来訪させて頂きたいと思っています。旧田沼町には作原、白岩、下飛駒、御神楽と宇都宮神社が四社あるそうで、ここに至る201号線手前にも白岩の宇都宮神社があります。ここは旧村社で御祭神は大己貴命です。ここ田沼町の神社建築は日光東照宮を造った飛騨の巧みの手になるものか、この地に宮大工集団が形成されていたのか、何処の社殿も綺麗に彩色され、かなり装飾的な彫刻が見られます。

(田沼 川口萬祥堂刻  昭和6年10月建立)

神社全景、背景の杜の緑がとても綺麗です。

拝殿

昭和初期というとそろそろ岡崎型のしょうわ狛犬が登場しており、日本全国の地域性、独自性、石工さんの気と根性の入ったいい狛犬が、駆逐される時期に入る頃ですが、ここの狛犬は彫りは固いですが、若々しく歯や髭、体毛まで丁寧に彫り込んであります。阿は玉取、吽は親そっくりの子狛を優しく前脚で押さえた子取りです。

拝殿の木鼻狛犬

綺麗に彩色が残り、透かし彫りの
彫刻が施されている本殿

ヨッシーのQ&A
Q:拝殿の柱にある木鼻というのでしょうか? これも狛犬なのでしょうか?
A:はい。そうです。木鼻の狛犬又は獅子といいます。木鼻は、木端ともいい、「木の端」を意味し、拝殿や本殿の正面向拝や頭貫部分に取り付けられています。歴史的に見ますと平安時代までは殆ど見られません。鎌倉時代に禅宗が日本に上陸するとともにその寺院様式も取り入れられ、素朴ながら木鼻も登場する事になります。室町時代になると木鼻はより装飾的になり、別木で作成した物を取付ける「掛け鼻」が現れ、ここで木鼻は一大飛躍を遂げる事になります。その種類としては獅子(狛犬)鼻、獏鼻、龍鼻、植物鼻、鳥鼻など大きく分けると、動物の形をしたものと、雲や花や葉といった植物や自然を具象化したものに大別されます。(狛犬と木鼻の館へようこそ参照)』