氷室山神社

佐野市秋山町(平成17年11月12日)

【狛見倶楽部 佐野支部 クマちゃん通信員より】
この神社は、古代生活体験村という施設の少し先にあり紅葉見物の途中に寄りました。狛犬は二組でした。最初の狛犬は、てっきり昭和12年と思っていましたが、撮ってきた写真を見ましたら、上の台座に昭和27年というのが読めます。残念。もう一組は、年号が見つかりません。そして、私には読めない文字が彫ってありました。これも残念です。この神社は、里宮です。奥の宮は群馬県境の「氷室山」にあると聞いています。
ここから林道を走って「猿岩の滝」まで行くことにしました。途中、ちょっと珍しいものを発見しました。岩の上に、かなり大きな木が育っていて、根が岩を包み込むようになっています。祠も見えました。お参りしようということになり賽銭をあげて、拝んできました。すでに、お茶や賽銭もあがっていましたから、ここを通る人達からも崇敬を受けているのだと思いました。祠の側面には、この辺の地名と思われる「木浦原」の文字が見えました。ここから、少し走って滝に到着。車から降りると寒いくらいです。前夜が雨だったこともあり、今年、4月の時よりも水量はありました。

この神社は旧葛生町を北上し粟野町上粕尾に抜ける林道へと続く200号線・秋山万町線の、秋山学寮バス停先、左に鎮座しています。創建は享保4年(1719)で、火難厄除けの神、日本全国の山を支配する大山祇の神を祭神としています。この地域には「あそのあかべ」という昔話が伝わっており、それによると、文政12年(1829)江戸の大火の中、「あそのあかべ」と名のる天狗のような大男が現れ、下野の国の領主の屋敷の火を鎮火させました。調べた結果「氷室のてんぐ様」であろうということになり、霊験あらたかな神とおぼしめされ、朝廷より正一位氷室山神社の称号が贈られたということです。

社号標と神社入り口
鳥居の脇で堂々と参拝者を見据えている変わり種のしょうわ狛犬です。
やけに高見の見物をしていらっしゃると思ったら、昭和12年の先代さんが亡くなられ、
その台座の上に更にご自分の台座を据えられたからでした。
昭和27年生まれのこの狛犬様は、耳長で、夜行動物か宇宙人のような大きな眼をしています。
阿は玉取、吽は子取りで、鬣も尻尾も臑毛も複雑で装飾的です。
只前脚が細すぎて多少バランスに欠けていると感じました。
この年代のものとしては独創的で良い造りです。(昭和27年建立)
境内への階段 拝殿
本殿覆い屋 微かに彩色が残る本殿
逆さと構えの獅子山に良くあるパターンですが、ここでは台座の上に
薄く自然石風に荒削りをした岩が造ってあります。
苔むして良くは見えないのですが、若々しく動きのある、このポーズにピッタリの狛犬です。
鬣と尻尾のカールと毛先の流れが華奢なこの狛犬の身体に華やかさと動きを与えています。
奥宮??記念文字碑(あまりの達筆に
読めませんでした。ごめんなさい)


《番外編》 その壱・林道沿いの小さな祠

「猿岩の滝」へ行く林道沿いの岩の上に、
大木が育ち、根が岩を包み込むようになっています。
樹木の尽きぬ生命力を感じます。
祠も見えました。
お参りしようということになり
賽銭をあげて、拝んできました。
お茶や賽銭もあがっていましたから、
ここを通る人達からも崇敬を受けている
のだと思いました。
林道沿いの小さな祠。
古代から現代まで、人はこのように
自然の偉大な姿を見ると、畏怖の念と、
自然と頭を垂れる信仰心とが、芽生えるのでしょう。

《番外編》 その弐・「猿岩の滝」と紅葉、旧葛生町の高齢者センター(農村レストラン)の蕎麦

旧葛生町の高齢者センター(農村レストラン)の蕎麦、おいしそうですね〜。
一度賞味したいものです。