八幡宮

佐野市岩崎町(平成17年12月17日)

【狛見倶楽部 佐野支部 クマちゃん通信員より】
 この神社は、三好小学校から近いです。参道が生活道路にもなっています。神社への登り口に庚申塔がありました。石段を登っていくと、真っ赤な社殿がありました。現代風な赤い覆い屋にも驚かされます。狛犬は三組でした。手前から、年代不明、昭和5年、昭和15年です。拝殿の覆い屋は、初めて見ました。登り口にはイチョウの木があって、銀杏がたくさん落ちていました。

 この神社は佐野市街地から16号線で北上し、田沼で201号線に入り更に北上、旗川を渡ったら二股を左にとると突き当たりに鎮座しています。
 田畑の広がる平地から山に至る境界の、山裾に鎮座している神社で、長い参道を持ちその途中に小川が流れ、また樹叢の濃い落ち着いた雰囲気の境内に赤い彩色の施された社殿とその覆い屋がひときわ映える、そんな雰囲気が感じられます。
 旧村社で御祭神は誉田別命、明応年間(1492〜1500)に創建された古社です。

生活道路にもなっている参道 神橋が架かる境内入口
まだ銀杏がたくさん落ちていたイチョウの大木 神社への登り口にある庚申塔
境内の狛犬2対。
堂々とした坊主頭の江戸中と可愛い江戸の対比が面白く、実際この眼で見たくなりました。
建立年代不明の江戸中狛犬。
太めで堂々とした体格をしていて、顔は真っ直ぐ前方を見据えています。
垂れ耳でゲジゲジ眉毛、低い鼻がご愛敬。歯をむき出していますが、ちっとも恐くありません。
この姿勢、台座の低さ、顔の向きや尻尾の形から、
江戸時代中期の1700年代半ばから後期にかけての建立と思われます。
昭和5年建立の小振りの江戸狛犬ですが、
この頃よくこんな狛犬を造ったものと感心させられます。
(昭和5年建立)
拝殿前の招魂社系狛犬
(昭和15年建立)
鮮やかな拝殿と社殿全体を覆う覆い屋
神社を三千社近く見てきた私達ですが、
ここまでの覆いは2例目です。
拝殿の唐破風には龍が居ます。
木鼻には像と狛犬がおり、挙鼻は鷲のようです。
いつ頃の造営か分かりませんが、
この社殿を護る為に覆い屋が造られたのでしょう。
多少景観は損なわれますが、致し方のないこと
なのかもしれません。
流れ造りの本殿。
こちらはまた一段と精巧に出来ています。
壁の彫刻や木組み、屋根の曲線など申し分がありません。
「素晴らしい」の一言に尽きますが、この社殿を維持管理なさるのには
大変なご苦労がお有りと推測され、氏子の方達に頭の下がる思いが致しました。
末社群