胸形神社

小山市大字寒川(平成17年10月12日)(平成19年7月9日追記)

【狛見倶楽部 佐野支部 クマちゃん通信員より】
この神社は、延喜式内社です。鳥居の前には「とちぎ名木百選のエノキ」が堂々と立っています。狛犬さんは、平成13年と大正7年でした。本殿は、覆いがあって、脚立でもないと見られません。
余談になりますが、この辺りは、女性で地頭になった寒川尼が治めていました。女性の地頭は、珍しいことだと思います。若い時に、頼朝の乳母だったことや、子供達が頼朝の家来になったことが関係していると思います。また、この地区では、1月に「花桶かつぎ」という行事が行われています。七歳の女の子が主役ですが、少子化の影響で同地区に該当者がいなくて、地区外から応援を求めることもあるそうです。伝統を守っていくことは、たいへんですねー。

この神社は宇都宮線・間々田駅の北西約4km、寒川地区の160号線から少し西に入った、巴波川の土手近くに鎮座しています。式内社で創建は不詳です。主祭神は宗像三女神の田心姫命、配祭神は市杵島命、多岐津比売命です。中世以降は一時衰微しましたが、弘化元年(1844)に社殿が再建され、近郷38ヶ村の総鎮守として崇敬されてきました。境内入口のエノキの大木は見事な枝振りをみせ神社に一段と風格を与えています。

樹齢300年以上のご神木・エノキ 拝殿
大正生まれの太めの江戸尾流れ狛犬。にこやかで鬣や脇毛、尻尾の流れを強調しています。顎の下の二カ所のお髭や頬の膨らみが可愛い狛犬です。
(大正7年建立)
本殿覆い屋、微かに銅葺の流造の屋根が見えます。 「花桶かつぎ」の様子、可愛いですね〜

【狛見倶楽部 佐野支部 クマちゃん通信員より追伸】(平成19年7月9日)
 きょうは、残念なお知らせをしなければなりません。栃木県小山市の胸形神社の御神木、エノキが枯れてしまったのです。6月24日付けの下野新聞で知り、7月6日に見てくることが出来ましたので、その報告です。前回行った時も、樹勢が衰えて治療中でしたが、とうとう駄目だったのです。

悠久の時を経て生きてきたこのエニキ。その間自身も自然の猛威に絶えながら、じっと神社の変遷や地域の人々の生活・生き様を見守り続けてきたのでしょう。お疲れ様でした。ありがとうございました。
 熊さんの写真には、大エノキの傍に若木が植樹されているのが見えます。これからはこの木がその成長と共に私達を見守ってくれることでしょう。